古い家の暑さ対策で、効果バツグンのものを4つ紹介します。
リフォーム設計のプロである筆者は、古い家に住むお施主様から「暑さ対策」の相談を受けることが、かなり頻繁にあります。
古い家は遮熱性能や断熱性能があまりよくないので、このような悩みを持つお施主様がとても多いのです。
暑さ対策の相談を受けたときに、筆者がいつも提案するリフォームは以下の4つ。
- 内窓
- 小屋裏(屋根)断熱
- 室外機移設
- 通風玄関ドア
数ある暑さ対策リフォームの中で、この4つの工事は簡単なのにめちゃくちゃ効果的なのです。
この4つの暑さ対策リフォームは、ほとんどが1日で終わる工事。
それと、紹介する4つの暑さ対策リフォームのうち、3つは冬の寒さ対策としても効果的です。
古い家は暑さだけでなく、寒さもキツイことがほとんど。
簡単なリフォームで、暑さ対策と同時に寒さ対策もできてしまうので、どの工事もとても人気がありますよ。
これらのリフォームをしたお施主様の感想で、もっとも多いのがコレ。
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あなたも、1日も早く暑さ対策&寒さ対策の工事をして、1年じゅう快適に過ごせる家にしませんか?
さっそく、1つ目の暑さ対策から紹介していきます。
DIYでできる暑さ対策の記事はこちら。
ベランダや2階の暑さ対策など、暑さ対策のまとめ記事はこちら。
屋根の断熱や塗料についての記事はこちら。
古い家の暑さ対策に効果的な工事①内窓
古い家の暑さ対策リフォームでおすすめのもの、1つ目は内窓。
今ある窓の内側に、もう1つ窓をつけるリフォームです。
出典:YKKap プラマードU
内窓はインナーサッシとも呼ばれ、リフォームでとても人気のある工事項目です。
古い家の窓は、ペアガラスになっていなかったり、室内側のフレームがアルミだったりして、遮熱性能が低め。
さらに、建てつけが悪くなった窓からはすき間風が入り、外部の熱い空気がどんどん室内に入り込んできます。
外壁塗装や全面リフォームと同時に工事をする場合なら、新しい窓に交換するのもいいですが、ちょっと大掛かりな工事になるのでちゅうちょする人も。
てっとり早く、それほど費用をかけずに窓の遮熱性能を大幅に上げるなら「内窓」一択です。
窓の本数にもよりますが、ほとんどの場合、工事は1日で終わります。
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めちゃくちゃ
効果的ですよ!
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外部から室内に入り込む熱の70%以上が、窓やドアなどの開口部から。
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出典:YKKap プラマードU
その窓から入ってくる熱を、内窓が大幅に減らしてくれます。
ポイントは空気損。
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出典:YKKap プラマードU
内窓は窓と窓の間に空気層をつくることで、遮熱効果を飛躍的にアップさせるのです。
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出典:YKKap プラマードU
空気層が大きいので、ペアガラスよりもずっと遮熱効果が上です。
こんなに魅力的な内窓リフォームですが、よくある後悔が3つあります。
- DIYで内窓を取り付けた
- 内窓のガラスにこだわらなかった
- もっとおしゃれな内窓商品があった
これらの後悔についてのくわしい説明は、別記事でくわしくしています。
「内窓をつけてみたい」と考えている人は、ぜひあわせて読んでみてくださいね。
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内窓でよくある後悔3つ!多くの施主が悔やむポイントをプロが教えます
古い家の暑さ対策に効果的な工事②小屋裏断熱
古い家の暑さ対策リフォームでおすすめのもの、2つ目は小屋裏(屋根)断熱。
屋根直下の部屋って暑くないですか?
屋根直下の部屋が暑い原因は、小屋裏。
真夏に小屋裏に入ったことのある人はわかると思いますが、
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真夏の小屋裏は、
灼熱地獄!
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60度以上になることも、よくあります。
そんな灼熱空間が家の中にあったら、そこから暑さが他の部屋に流出するのは当然のことです。
そう、小屋裏には断熱材が入っていて、その断熱方法は以下2種類。
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古い家の場合、多くが「天井断熱」だけしか施工されていません。
その場合、小屋裏の中までは断熱されず、熱が入り放題。
そして、先にお話したような、気温60度の小屋裏になってしまうのです。
気温60度の小屋裏を、天井断熱だけで断熱しようとしても、まったく無理。
歯が立ちません。
古い家の天井断熱にはせいぜい50mm程度のロックウールが敷いてあるくらい。
ですので、小屋裏から2階などの屋根直下の部屋に、暑さがジリジリと漏れ出してしまうのです。
この屋根からの暑さを、コスパよく、劇的に解消してくれるのが、屋根断熱。
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小屋裏側から、屋根の裏側に断熱材を吹き付けます。
先に紹介した内窓リフォームと、この小屋裏(屋根)断熱リフォームをセットで行うと、どんなに古い家でも、体感として涼しくなるのを実感できます。
この屋根断熱リフォームも、内窓工事同様に、1日で終わってしまうことがほとんど。
簡単なのに、効果絶大の大人気リフォームです。
※2023.06追記
2022年2月24日、発泡ウレタンの原料となる「イソシアネート」が、有害化学物質としてEUで成分としても混合物としても、使用を禁止されました。
火災のときのガス発生についても、問題視する声があがってきています。
発泡ウレタンはすき間なく断熱できる便利な材料なので、これまでおすすめしてきましたが、上記の件をふまえ、筆者は今後、発泡ウレタン系の断熱材はおすすめしないことにしました。
防火性能の面でも、以下のとおりロックウールのほうが上。
- 発砲ウレタン→難燃材料(加熱開始後5分間防火性能を満たす)
- ロックウール→不燃材料(加熱開始後20分間防火性能を満たす)
断熱性能が多少落ちたとしても、ロックウールでの屋根断熱をおすすめします。
古い家の暑さ対策に効果的な工事③エアコンの室外機移設
古い家の暑さ対策リフォームでおすすめのもの、3つ目はエアコンの室外機を移設する工事。
窓の近くにエアコンの室外機を置いていると、その室外機から発する熱が、窓を通じて室内に入り込むことがよくあります。
多いのは、2階バルコニーに置いた室外機が、窓やバルコニーを熱し、室内にその暑さが入り込むケース。
スペースの都合もあるとは思いますが、室外機はバルコニーでなく、1階外の地面に直接置くのがおすすめです。
さらに、できるだけ窓から距離を空けて設置すると、暑さが室内に入るのを減らせます。
エアコンの室外機を移設する工事は、エアコン屋さんに頼めば簡単。
台数にもよりますが、ほとんどの場合、この工事も1日で終わります。
古い家の暑さ対策に効果的な工事④通風玄関ドア
古い家の暑さ対策リフォームでおすすめのもの、4つ目は通風玄関ドア。
出典:リクシル 玄関ドア
玄関ドアを開けた瞬間に、家の中に風が吹き抜けませんか?
答えがYESの場合は、玄関ドアを通風できるものに交換すると、家の中の風通しが格段によくなり、暑さ対策にめちゃくちゃ有効です。
玄関ドアを通風させる方法は、以下3つ。
- 通風タイプの玄関ドアにまるごと交換する
- 通風タイプの玄関ドアに「カバー工法で」交換する
- 玄関ドア網戸を取り付ける
1つずつ簡単に説明します。
通風タイプの玄関ドアに「まるごと」交換する
玄関ドアを通風させる方法、1つ目は玄関ドアをまるごと交換し、通風タイプのものにすること。
玄関ドアを交換する方法は、大きく分けて以下2種類があります。
- まるごと交換
- カバー工法で交換
ここでお話しているのは、1つ目の「まるごと交換」。
大工さんはもちろん、左官屋さん、塗装屋さんなど、複数の業種が入るリフォームになります。
ですので、工事は1日では終わらず、費用もやや高め。
通風タイプの玄関ドアに「カバー工法で」交換する
玄関ドアを通風させる方法、2つ目は「カバー工法で」通風タイプのものに交換すること。
先にお話した、玄関ドアを交換する2つの方法のうちの1つです。
既存玄関ドアの枠を残し、その上に新しい枠をかぶせて、新しい玄関ドアを取り付けます。
このカバー工法の場合は、サッシ屋さんだけで施工できるので、ほとんどの場合、工事は1日で終了。
費用も、まるごと交換するよりは、だいぶ安くおさえられます。
ただ、開口巾や高さが減ったり、枠がゴツくなるなど、デメリットも。
このあたりの玄関ドアリフォームについては、メリットやデメリット、工事の流れなどを、別記事でくわしく説明しています。
↓ ↓ ↓
玄関ドアリフォーム|交換・カバー工法・塗装の選びかたをプロが解説
玄関ドア網戸を取り付ける
玄関ドアを通風させる方法、3つ目は玄関ドア用の網戸を取り付けること。
玄関ドアはそのままで、網戸だけを新しく取り付ける工事です。
リフォーム会社に依頼して、しっかりした網戸を取り付けてもいいし、DIYで1,000円台からある玄関網戸を選んで取り付けてもOK。
リフォームで取り付けるしっかりした網戸
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出典:YKKap 中折網戸
DIYで取り付ける簡単な網戸
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あなた好みの通風玄関ドアリフォームを選んでみてくださいね。
古い家の暑さ対策は、寒さ対策にも有効
古い家の暑さ対策リフォームを4つ紹介してきましたが、実はこれらの対策は、ほとんどが「寒さ対策」にも役立ちます。
- 内窓→夏も冬も有効
- 小屋裏(屋根)断熱→夏のみ有効
- 室外機移設→夏も冬も有効
- 玄関ドア交換→夏も冬も有効
1つずつ説明していきますね。
内窓リフォームは寒さ対策にも有効
内窓リフォームは、暑さ対策だけでなく寒さ対策にも有効。
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出典:YKKap プラマードU
そして、冬の窓と言えば!の結露も、びっくりするレベルで軽減してくれます。
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出典:YKKap プラマードU
内窓は、古い家を1年じゅう快適にしてくれる、めちゃくちゃコスパのいいアイテムです。
小屋裏(屋根)断熱は夏の暑さ対策にのみ有効
小屋裏断熱リフォームは、暑さ対策にのみ有効。
小屋裏を断熱しても、残念ながら冬の寒さ対策にはなりません。
冬の寒さ対策でよく行う断熱材のリフォームは、床下。
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出典:旭ファイバーグラス
古い家は床下の断熱材も足りないので、床下から新しい断熱材を追加するリフォームです。
こちらも、1日で終わる簡単な工事なので、冬の寒さが気になる場合は、検討してみてくださいね。
室外機移設は寒さ対策にも有効
エアコンの室外機移設リフォームは、暑さ対策だけでなく寒さ対策にも有効です。
エアコンは「熱交換」をするので、室内機と室外機の関係は以下のようになります。
↓ ↓ ↓
- 室内機が冷たい風を出す時に、室外機は熱い空気を出す
- 室内機が温かい風を出す時に、室外機は冷たい空気を出す
夏も冬も、室外機は室内に入ってほしくない温度の空気を出すのです。
ですので、室外機をバルコニーや窓の近くに置くのは、避けた方がベター。
他にもっとよい場所があるのなら、移設してしまいましょう。
玄関ドア交換は寒さ対策にも有効
玄関ドアリフォームも、暑さ対策だけでなく寒さ対策にも有効です。
とはいえ、通風玄関ドアが冬の寒さ対策に役立つという意味ではありません。
断熱性能の高い玄関ドアを入れることで、玄関の寒さ対策になるのです。
玄関ドアの断熱性能はこんな感じ。
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出典:リクシル 玄関ドア
通風ができて、かつ、断熱性能の高い玄関ドアを選べば、夏も冬も1年じゅう快適な玄関になりますよ。
古い家の暑さ対策工事をする人へ
室内の暑さ対策をするための、簡単なリフォーム工事を紹介してきましたが、
このように考えている人は、ちょっとだけ待ってください。
このまま暑さ対策リフォームの計画を進める前に、リフォームを失敗しないための方法を知っておきませんか?
今回紹介したような簡単で少額の工事でも、失敗して悲しい思いをしている人がたくさんいます。
↓ ↓ ↓
リフォーム成功に必要なたった1つのこと|すべての失敗はコレが原因
リフォームのウラもオモテも知り尽くした筆者が、あなたにリフォームの必勝法を教えます。
古い家の暑さ対策|まとめ
古い家の暑さ対策リフォームについて、簡単な工事なのにめちゃくちゃ効果的なものを4つ紹介しました。
- 内窓リフォーム
- 小屋裏(屋根)断熱リフォーム
- 室外機移設工事
- 通風玄関ドア交換リフォーム
どの工事もとても人気があり、頻繁に行われている暑さ対策リフォームです。
多くのお施主様が、
というくらい快適になるので、ぜひ、次の夏が来る前にリフォームを検討してみてください。
と、感動してもらえると思います。
この記事ではリフォーム工事を必要とする暑さ対策を紹介しましたが、別記事ではDIYでできる暑さ対策もたくさん紹介しています。
ぜひ、あわせて読んでみてくださいね。
↓ ↓ ↓
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