フローリングの種類は、大きく分けて4つあります。
- 無垢フローリング
- 突き板フローリング
- 挽き板フローリング
- シートフローリング
それぞれのフローリングは、カタログで見るとぱっと見どれも同じように見えますが、実物を比べてみると全くの別物。
どの種類のフローリングを選ぶかによって、インテリアの高級感、質感、踏み心地が全然異なります。
そんなふうに思う人も多いかもしれません。
でも、リフォーム設計を長く経験している筆者がおすすめするフローリングの種類は、無垢ではなく挽き板。
そして、使う場所や用途によっては無垢や突板、シート張りのフローリングを選んだ方がいい場合も。
フローリングの選び方を間違えてしまうと、あっという間に劣化してしまったり、イメージと違う部屋になったりして、残念なことになりかねません。
この記事では4種類のフローリングについて、それぞれの特徴や選び方を説明。
ぜひ、最後まで読んで、あなたの家にぴったりの種類のフローリングを選べるようになりましょう。
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フローリングの種類
フローリングの種類は、大きく分けて以下の4つだとお話しました。
- 無垢フローリング
- 挽き板フローリング
- 突き板フローリング
- シートフローリング
これら4種類のフローリングの違いは「断面」。
さっそく断面の違いを見ていきましょう。
フローリングの種類による断面の違い
4種類のフローリングについて、それぞれの断面を見ていきます。
無垢フローリングの断面
無垢フローリングは、断面すべてが銘木。
出典:朝日ウッドテック
出典:マルホン
丸太から切り出したままの状態のフローリングが、無垢フローリングです。
挽き板フローリングの断面
挽き板フローリングは、フローリング表面の2~3㎜に銘木を使用。
出典:朝日ウッドテック
出典:マルホン
表面材である銘木に十分な厚みがあるため、挽き板フローリングは無垢フローリングとほぼ同じ質感です。
突き板フローリングの断面
突き板フローリングはフローリング表面の0.3㎜程度に銘木を使用。
出典:朝日ウッドテック
出典:朝日ウッドテック
銘木部分は表面の0.3㎜程度なので、木目の深みは無垢や挽き板フローリングほどは出ません。
シートフローリングの断面
シートフローリングはフローリング表面に木目などを印刷したシートを使用。
出典:朝日ウッドテック
シートフローリングは、フローリングの中で唯一銘木部分がないフローリングです。
4種類のフローリングを一覧表で比較
次は4種類のフローリングの特徴を一覧表で比較してみます。
無垢 | 挽き板 | 突き板 | シート | |
質感のよさ | ||||
価格の安さ | ||||
手入れの簡単さ | ||||
長持ちしやすさ | ||||
経年変化しにくさ | ||||
寸法安定性の高さ |
どの種類のフローリングも一長一短で、「このフローリングを使っておけば無敵!」というものはありません。
ですので、使う場所やフローリングに求めることを考えながら、どの種類のフローリングを選ぶか検討する必要があります。
それではそれぞれの種類のフローリングについて、より詳しく見ていきましょう。
フローリングの種類①|無垢フローリング
出典:マルホン
無垢フローリングは銘木そのものなので、質感、足ざわりのよさが、フローリングの中でもっとも優れています。
ただ、木そのものなので、木材のデメリットもそのまま残っています。
木材のデメリットとは、温度や湿度などで寸法が安定しないこと。
寸法が安定しないことで、フローリング間のすき間が大小したり、床鳴りを起こしたりするケースも。
無垢フローリングは床に高級感や質感のよさを求め、フローリングに予算をかけられる人におすすめです。
無垢フローリングについて、別記事でより詳しく説明しています。
無垢フローリングの後悔で多いのはこれ!メリットデメリットをプロが解説
フローリングの種類②|挽き板フローリング
出典:マルホン
挽き板フローリングは表面に3㎜程度の銘木を使用しているため、木目の深みなどの質感は、無垢フローリングとほとんど変わりません。
ただ、踏み心地は無垢フローリングと比べると少し硬め。
無垢フローリングの欠点である寸法安定性の悪さは、挽き板フローリングならほとんど気にしないでいいレベルまで改善されています。
無垢フローリングより価格が安く、質感がほぼ無垢レベルの挽き板フローリングは、筆者イチオシ!
挽き板フローリングについて、別記事でより詳しく説明しています。
挽き板フローリングは建築士イチオシ!メリットやデメリットなど
フローリングの種類③|突板フローリング
出典:朝日ウッドテック
突き板フローリングは、リフォーム設計を生業としている筆者が、もっとも多く採用するフローリングです。
価格的に無垢や挽き板フローリングを選ぶことはできないけれど、シートフローリングでは少しチープかなという案件が多いため、結果的に価格と質感のバランスがよい突き板フローリングを採用することが一番多いのです。
表面の銘木部分が0.3㎜程度とかなり薄いので、その上の塗装部分がフローリングのモチを大きく左右します。
突き板フローリングについて、別記事でより詳しく説明しています。
突き板フローリングのメリット・デメリットを建築士がわかりやすく解説!
フローリングの種類④|シートフローリング
出典:朝日ウッドテック
シートフローリングは最近主流になりつつあるフローリングです。
表面に銘木を使用せず、木目などを印刷したシートを張っているので、本物の銘木を使用した無垢、挽き板、突き板フローリングとは根本的に異なります。
とはいえ、昔より印刷技術が発達してきているので、床にそれほどこだわりがない人なら、偽物の木という感じはしないかもしれません。
室内ドアや窓枠などもシートを使用したものが増えてきているので、フローリングにシートを使うことも、昔ほどは抵抗感がなくなってきています。
シートフローリングについて、別記事でより詳しく説明しています。
シートフローリングって何?メリット・デメリットなどを建築士が解説
フローリングの選び方|どの種類のフローリングを選ぶべきか
フローリングの種類や特徴についてここまでお話してきましたが、次はどの種類のフローリングを選べばいいかについてお話します。
先にもお話しましたように、万人にOKなオールマイティーなフローリングはないので、使う場所やフローリングに求める要素で選びましょう。
フローリングの質感にこだわる場合
フローリングの質感にこだわりがあり、ある程度の費用を床にかけてもいいという人なら、
- 無垢フローリング
- 挽き板フローリング
このどちらがおすすめ。
木目の美しさや足ざわり、踏み心地が突き板フローリングやシートフローリングとは別物です。
フローリングの質感にそれほどこだわりがない場合
フローリングの質感にそれほどこだわらないのであれば、
- シートフローリング
がおすすめ。
お値段が安くお手入れも簡単!
床暖房やホットカーペットを検討している場合
床暖房を入れたり、ホットカーペットを使う予定がある人は、
- 無垢フローリング以外
がおすすめ。
もちろん、無垢フローリング以外でも「床暖房可」となっているフローリングを選んでくださいね。
ちなみに、「床暖房可」となっている場合でも、無垢フローリングはおすすめできません。
床暖房可の無垢フローリングを採用した結果、床鳴りのクレームにつながった経験が筆者には何度かあり、今では床暖房やホットカーペットを使用する場合には、無垢フローリングは決して採用しないようにしています。
ペットのおしっこがかかる可能性がある場合
おしっこはフローリングの大敵なので、ペットのおしっこがかかる可能性がある場合は、フローリング自体おすすめできません。
それでもどうしてもフローリングにしたいという場合は、シートフローリングを採用し、継ぎ目に専用のシール材を注入しましょう。
トイレにフローリングを使いたい場合も同様です。
フローリングのお手入れにあまり時間を取られたくない場合
フローリングのお手入れが面倒だという場合は、
- 突き板フローリング(お手入れがラクな塗装がしてあるもの)
- シートフローリング
このどちらかがおすすめ。
フローリングのお手入れは、大変な順に
無垢≧挽き板>>>突き板>>>シート
無垢、挽き板フローリングには、それなりのお手入れが必要です。
突き板フローリングは表面の塗装によりお手入れの大変さは変わりますが、基本的には無垢や挽き板フローリングと比べるとお手入れはずっとラク。
シートフローリングは表面の汚れを拭くぐらいで、お手入れはほとんど必要ありません。
本物の木目にこだわる人
何度かお話していますが、シートフローリングの木目は「本物の木目」ではありません。
その偽物感に抵抗がある人は、
- シートフローリング以外
を選びましょう。
リフォームの打合せをしていると、「フローリングにそこまでお金はかけられないけれど、偽物の木目にするのはやはり抵抗がある」というお客様がわりとたくさんいらっしゃいます。
大理石タイルなどの床にしたいけれど、硬さが気になる場合
大理石やタイルなどの床にしたいけれど、冷たさや硬さが気になる場合は、
- シートフローリング(大理石柄など)
がおすすめ。
シートフローリングの表面シートは木目だけでなく、大理石などの柄もあります。
出典:パナソニック
フローリングの種類|まとめ
フローリングの種類について、それぞれのフローリングの特徴と、違い、選び方を説明しました。
無垢、挽き板、突き板、シートフローリングの違いは、フローリングの「断面」。
パッと見、カタログでは同じように見えるフローリングでも、実物を比べてみると、その違いは一目瞭然です。
また、どの人にもおすすめできるオールマイティーなフローリングというのはありません。
フローリングに求めるものや使う場所によって、選ぶべきフローリングの種類が異なります。
フローリングの種類ごとの違いをしっかり理解し、あなたに一番合うフローリング選びができますように。
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