洗面所の壁や天井選びは、家の中で最も慎重に検討すべき項目の1つです。
洗面所は脱衣室を兼ねていることが多く、お風呂からの湯気などで湿度がとても高くなる場所。
特にマンションは窓のない洗面所が多いので、より湿気がたまりやすい傾向があります。
そのため、洗面所の壁や天井にはカビなどが生えやすく、劣化が早く進むことも。
筆者はリフォーム設計を生業としているので、築10年~40年のお宅におじゃまし、劣化した状態の洗面所を見る機会が頻繁にあります。
その劣化した洗面所の壁や天井に使われている材料は、95%以上が壁紙(ビニルクロス)。
ですので、筆者は洗面所の壁や天井には、壁紙を使わない方がいいと考えています。
この記事では、以下について解説していきます。
- 洗面所の壁や天井におすすめの材料
- 洗面所の壁や天井には使わない方がいい材料
- 洗面所の壁や天井の選び方で注意すること
10年後20年後もきれいな洗面所を保てるよう、よりよい壁・天井材を選びましょう!
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洗面所の壁や天井におすすめの材料
洗面所におすすめの湿気やカビに強い壁材を紹介します。
画像やリンクを張っておきますが、実際に検討する際には、必ず実物サンプルを取り寄せて確認することをおすすめ。
カタログと実物とでは、見え方が大きく違う商品がたくさんあります。
アイカ工業 セラール
洗面所におすすめの壁・天井材、1つ目はアイカ工業のセラール。
セラールはメラミン不燃化粧板です。
メラミンとは熱や湿気、強度、耐久性に強い樹脂を染み込ませた材料。
住宅の水廻り、公共施設など、様々なところで使用されている壁・天井材です。
洗面所の壁なので、それほど丈夫である必要はありませんが、セラールは湿気に強く、菌の増殖を抑える抗菌機能がついたものも品ぞろえしているので衛生的。
セラール表面は汚れがつきにくく、お手入れはサッとひと拭きで簡単です。
万が一しつこい汚れがついてしまった場合も、中性洗剤やシンナーで拭けるというから驚き!
柄が豊富で、単色、木目、石目、抽象柄など150種類以上の中から選べます!
ほんの一部ですが、柄の一部を張っておきます。
余談ですが、我が家の洗面所は「窓無し、換気扇なし」のかなり劣悪な環境。
壁紙で施工した天井が、あっという間にお風呂の湯気でカビだらけになったので、このセラールで洗面所の壁と天井を張り替えました。
施工して10年以上経ちますが、まったく劣化しておらず、新品同様。
「本当にいい選択したな」と10年以上経った今になっても自画自賛しています(笑)
大建工業 グラビオ
洗面所におすすめの壁材、2つ目は大建工業のグラビオ。
グラビオは火山性ガラス質堆積物を原料とした「ダイライト」を原材料とした不燃壁・天井材。
↑これがダイライト。
ガラス質なので熱、水、汚れに強く、洗面所にぴったり。
「クロスではカビが心配な場所におすすめ」と書かれているだけあり、湿気に強い材料です。
しかも細菌の繁殖を抑えるため、洗面所を清潔に保てます。
このグラビオは残念ながら天井には使用できません。
天井には、アイカ工業のセラールを合わせるのがおすすめ。
グラビオの柄バリエーションは、アイカ工業のセラールほどではありませんが、木目、石目、抽象柄などの品ぞろえがあります。
すべてマット調の仕上。
施工がしやすいのも魅力です。
リクシル エコカラット
洗面所におすすめの壁・天井材、3つ目はリクシルのエコカラット。
エコカラットは珪藻土のように「調湿」してくれる機能があります。
調湿とは、湿度が高いときにエコカラットの中に湿気をため込み、湿度が低いときに湿気を放出する機能。
基本的にはお風呂を使わない時間帯や湿度の低い時間帯にしっかりと湿気を放出してくれますが、常に湿気100%というような場所で使うと、その機能は発揮されません。
ですので、窓も換気扇もない洗面室で、エコカラットを使うのは、やめておいたほうが無難。
先に紹介した、アイカ工業のセラールや、大建工業のグラビオTAを使うことをおすすめします。
窓や換気扇である程度の湿気が管理できる場合にのみ、このエコカラットはおすすめ。
「湿気は通すのに、水や汚れはほぼ通さない」ので、水拭きが可能。
色や柄のバリエーションはかなりたくさんあるので、その一部を張っておきます。
エコカラットを洗面所に使う場合は、表面があまり凸凹しているものより、フラットなものの方が掃除がしやすいのでおすすめ。
洗面所の壁や天井には使わないほうがいい材料
洗面所の壁や天井には使わないほうがいい材料。
それは「壁紙」。
壁紙は数ある壁や天井の仕上材の中で、最も湿気やカビに弱い材料の1つです。
湿気によって、
- 壁紙がはがれかかっていたり
- 壁紙にカビが生えていたり
という洗面所を、筆者は何度も目にしてきています。
もちろん、防カビや汚れ防止機能がついた壁紙もありますが、それでも年数を経ると一様に劣化しているという現状です。
洗面所の壁・天井選びで注意すること
洗面所の壁や天井を選ぶ際に注意することについて、
- 色やデザイン
- 材質
2つの側面から説明します。
洗面所の壁や天井の「色やデザイン」について注意すること
洗面所の壁や天井の色や柄を決めるときは、洗面所の床や洗面台などの「洗面所にあるもの」だけでテイストを合わせるのではなく、隣接する空間の材料や出入口ドアとの相性も考える必要があります。
具体的には、
- お風呂が隣にあるのなら、お風呂の壁や浴槽、床
- 洗面所の出入口ドア
これらの色やデザインと、洗面所の壁や天井がマッチするかの確認です。
- お風呂がモノトーンなどのシックな空間なのに、洗面所の壁や天井がカジュアルだったり
- 洗面所の壁に木目のものを選んだものの、出入口ドアの木目と微妙に合わなかったり
そういった選び方をしてしまうと、空間全体として見たときに、なんとなくチグハグなインテリアになってしまいます。
隣り合う空間の内装、洗面所にあるアイテム、すべての色やテイストの相性をしっかり確認しましょう。
洗面所の壁や天井の「材質」について注意すること
洗面所の壁や天井は、お風呂からの湯気などで湿度が高いため、他の空間よりも仕上材の劣化が早く進みます。
特にマンションは窓が無い洗面所が多いため換気が悪く、また、コンクリート造は木造よりも湿度が上がりやすいため、仕上材の劣化はさらに早くなりがち。
こういったことから洗面所の壁や天井の材料は、
- 湿気に強いもの
- カビが生えにくいもの
を選ぶべきだということがわかります。
逆にいうと「湿気に弱くカビが生えやすい材料は、洗面所の壁や天井には不向き」ということになりますが、その1つが「壁紙(ビニルクロス)」です。
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洗面所の壁・天井選びまとめ
洗面所の壁や天井選びは、湿気やカビに強い材料を選ぶことが大切。
洗面所の壁に壁紙(ビニルクロス)を採用するのが一般的ではありますが、そのほとんどで10年後には劣化が進み寿命をむかえます。
おすすめした壁・天井材はどれも壁紙よりは初期費用がかかりますが、モチは「断然」上。
あっという間に壁や天井がカビてしまい、後悔しないためにも、特に洗面所にはよい材料を選びましょう。
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