玄関ドアの交換はどこに頼むのが正解かについて、リフォーム設計のプロが解説します。
「玄関ドアの交換」とひとことで言っても、その工法は2種類。
- 玄関ドアを丸ごと交換する工法
- ドア枠を残すカバー工法
リフォームではどちらの工法もよく採用されますが、どちらを選んでもいいというものではないので、注意が必要です。
あなたの家の状況によって、選ぶべき工法は1つにしぼられます。
玄関ドアを丸ごと交換する工法とカバー工法とでは、入る職人さんの数が異なり、費用も大きく異なります。
ただ、あなたがどちらの工法を採用したとしても、「玄関ドアの交換をどこに頼むべきか」に対する筆者の回答は同じ。
どちらの工法を選んでも、あなたが選ぶべき依頼先はたった1つです。
この記事では、以下2つについて解説していきます。
- あなたが選ぶべきたった1つの依頼先
- 玄関ドア交換する2種類の工法のうち、あなたがどちらを選ぶべきか
もちろん、おすすめしない依頼先についてもお話しますよ。
まずは、玄関ドのア交換工事が可能な依頼先から見ていきましょう。
玄関ドアの交換はどこに頼む?5種類の依頼先
玄関ドアの交換がどこに頼むことが可能かを見ていきましょう。
玄関ドアの交換ができる依頼先は、以下5種類。
- リフォーム会社
- ハウスメーカー
- 工務店
- ホームセンター
- 職人さん(業者さん)との直接取り引き
このうち、玄関ドアを丸ごと交換する工法が可能なのは、以下3つ。
- リフォーム会社
- ハウスメーカー
- 工務店
残りの以下2つの依頼先は、カバー工法でしか玄関ドアの交換ができません。
- ホームセンター
- 職人さん(業者さん)との直接取り引き
そうですよね。
次は、玄関ドアの交換工法2種類と、その選び方についてお話します。
玄関ドアの交換方法は2種類!その選び方
玄関ドアの交換をどこに頼むかについて考える前に、2種類の工法についてお話します。
先にもお話した通り、玄関ドアを交換する方法には以下の2種類があります。
- 玄関ドアを丸ごと交換する工法
- ドア枠を残すカバー工法
- さらに、あなたが選ぶべき工法はどちらか
これらについて、1つずつ簡単に説明しますね。
玄関ドアを丸ごと交換する工法
玄関ドアを丸ごと交換する工法は、玄関ドアだけを交換するだけでは済みません。
手順はこんな感じ。
玄関ドアのまわり20cmくらいを外壁ごとカットし、玄関ドアを枠ごと撤去
ちょっとイメージの悪い画像ですが、こんな感じです。
↓ ↓ ↓
新しい玄関ドアのサイズに合わせて、大工さんが軸組をつくる
↓ ↓ ↓
新しい玄関ドアを取り付け
↓ ↓ ↓
玄関ドアまわりの防水をやりなおす
↓ ↓ ↓
モルタルやタイル、サイディングなど、こわれた外壁を補修
↓ ↓ ↓
床のタイルやモルタルも一部こわれるので、部分補修または張り替え
↓ ↓ ↓
内部の壁紙も一部痛むので、張り替え
大工さん→左官屋さん→タイル屋さん→塗装屋さん→内装屋さん……
たくさんの職人さんが入るし、工期も1~2週間かかります。
ドア枠を残すカバー工法
続いて、玄関ドアのカバー工法を説明します。
手順はこんな感じ。
既存の玄関ドアを枠だけ残して撤去
↓ ↓ ↓
新しいドア枠を古いドア枠の内側に施工
↓ ↓ ↓
新しい玄関ドアを取り付ける
↓ ↓ ↓
古い玄関ドア枠を隠すための部材をかぶせる
古い枠に新しい枠をかぶせるので、カバー工法のドア枠は基本的に結構ゴツめになります。
手順がわかりやすい図があるので、張っておきますね。
↓ ↓ ↓
ちょっと待ってください。
カバー工法は確かに手軽ですが、デメリットも。
次は、あなたがどちらの工法を選ぶべきかについてお話します。
2種類の工法のうちあなたが選ぶべき工法は?
玄関ドアを交換する2種類の工法のうち、あなたがどちらを選ぶべきか。
まず大前提として、筆者のイチオシは、玄関ドアを丸ごと交換する工法。
その理由は、「不安な部分を残さない」から。
家の外部から内部に水が浸入する経路で多いのが、サッシ廻り。
窓や玄関ドアなどのサッシ~外壁の取り合い部分は、適切に防水がされていないと、雨漏れの原因になるのです。
そして、その防水は1度したら永遠にその性能がキープされるわけではありません。
年々劣化し、防水性能はどんどん落ちていきます。
玄関ドアを丸ごと交換する場合は、すべて新しくするため、防水性能もまた完璧な状態に戻ります。
それに対し、カバー工法は既存の防水性能をそのまま利用するもの。
防水性能の劣化を修復できる工事ではありません。
このことをふまえ、筆者は築25年以上の場合には、カバー工法ではなく、丸ごと交換をおすすめしています。
築25年以下でも、
- 他に外壁をいじる工事がある
- 玄関のタイルを張り替えたい
- 開口寸法が今より小さくなるのは困る
これらの場合は、カバー工法ではなく丸ごと交換をおすすめしています。
玄関ドアリフォームについては、別記事でさらにくわしく説明しているので、よかったらあわせて読んでみてくださいね。
玄関ドアリフォーム|交換・カバー工法・塗装の選びかたをプロが解説
次は話を戻して、本題の玄関ドア交換をどこに頼むかについて、筆者の回答をお話します。
玄関ドアの交換はどこに頼む?筆者がもっともおすすめする依頼先
玄関ドアの交換はどこに頼むのが正解か。
これに対する筆者の回答はこれ。
↓ ↓ ↓
- かかりつけの依頼先
または、
- これからかかりつけになってくれる依頼先
このように筆者の答にガッカリしてしまった人も、まずは聞いてください。
最終的にあなたにとってベストな依頼先を選べるよう、ちゃんと説明していきますから。
筆者はリフォーム設計の仕事を20年以上行っている、現役の建築士。
そんな筆者がリフォーム業界に対して、常々思っていることがこれ。
↓ ↓ ↓
/
リフォーム業界は
日々、
トラブルまみれ
\
- 悪徳商法と紙一重のリフォーム会社
- ダメ担当者や新人担当者がやらかしたあれこれ
- 契約したとたんに、残念な対応をされたと怒る施主
納得のいかないリフォームをされて、くやしい思いをしている施主がたくさんいます。
なぜなら、リフォーム業界はトラブルまみれでハズレだらけだから。
「リフォームの依頼先を選ぶ」ということは、そんなハズレだらけの中からアタリの会社を探すという難しいこと。
家を持ち、日々の生活を送っていると、さまざまなリフォーム工事が必要になります。
たとえば、
- 玄関ドアの交換
- トイレの修理
- 蛇口の交換
- 雨どいの修理
- などなど……
これらのリフォーム工事が必要なたびに、新しい依頼先を探すとどうなると思いますか?
/
ハズレを引く確率が
どんどん
高くなっていきますよ!
\
では、ハズレだらけのリフォーム業界で、どうしたらハズレを引かずによい依頼先を選べるのか。
その答が、先にお話した「かかりつけ」を探すこと。
あなたの家に必要な大きなリフォームも、小さな修繕工事も、すべて安心して任せられる「かかりつけ」を探すのです。
そう思いますよね。
次は、その「かかりつけ」の探しかたについてお話します。
玄関ドアの交換はどこに頼む?かかりつけの探しかた
玄関ドアの交換はどこに頼むかの答が、「かかりつけ」だとお話しました。
ここではその「かかりつけ」を、どのように探すかについて説明していきます。
改めて、玄関ドア交換工事が可能な依頼先を見ていきましょう。
- リフォーム会社
- ハウスメーカー
- 工務店
- ホームセンター
- 職人さん(業者さん)との直接取り引き
この5種類のうち、筆者がおすすめする依頼先は以下3つ。
- リフォーム会社
- ハウスメーカー
- 工務店
この3つは、先にお話した「玄関ドアを丸ごと交換する工法」に対応できる依頼先と同じです。
これがどういうことかというと、この3つの依頼先は、さまざまなリフォームで必要なすべての職種の知識があり、対応が可能だということ。
サッシ屋さんだけでなく、大工さん、左官屋さん、内装屋さん、タイル屋さん、などなど、なんでもござれです。
ですので、玄関ドアの交換に限らず、あなたの家に必要なリフォームは、この3つの依頼先なら安心して依頼することが可能。
残念ながらそうではありません。
先にもお話した通り、リフォーム業界はハズレだらけ。
さらに、どんなにいいリフォーム会社にも、ダメ担当者が必ずいます。
- リフォーム会社
- ハウスメーカー
- 工務店
筆者がおすすめするこの3種類の依頼先にも、ハズレはたくさんあるので、まだ油断はできません。
ただ、ここから先の「かかりつけ」探しについては、玄関ドアの交換リフォームだけでなく、すべての工事について共通する内容。
ですので、別記事にわかりやすくまとめることにしました。
↓ ↓ ↓
「かかりつけ」の見つけ方には、少しコツが必要。
この記事とあわせて読むことで、あなたの家にベストな「かかりつけ」が探せるようになります。
次は、筆者がおすすめしない依頼先についてお話しますね。
玄関ドアの交換はどこに頼む?筆者がおすすめしていない依頼先
玄関ドア交換工事をどこに頼むかで、筆者がおすすめしていない依頼先は以下2つ。
- ホームセンター
- 職人さん(業者さん)との直接取り引き
この2つの依頼先では、そもそも、玄関ドアを丸ごと交換する工事には対応できません。
おそらく、玄関ドアの依頼をしたら、自動的にカバー工法での交換を提案されます。
カバー工法を選択するときは、築年数や現状の劣化具合などを確認した上で選ぶべき。
それなのに、カバー工法しか選択できない依頼先に頼むのは、筆者としてはまったくおすすめできないのです。
また、ホームセンターに玄関ドアの交換を依頼すると、申し込みやお金のやり取りはホームセンターの担当者と行いますが、工事の段階になると職人さんと直接やり取りすることがほとんど。
いけなくはないですが、職人さんにはクセの強い人が多め。
建築関係者である筆者でさえ、家電量販店に依頼したエアコン工事では、職人さんとのやり取りにうんざりさせられました。
全く納得のいかない仕上がりだからやり直し工事を依頼したのに、「これがふつうです」と帰られそうになったのです。
このときの話は別記事でくわしく書いているので、よかったら読んでみてください。
↓ ↓ ↓
リフォームはどこに頼む?プロが1mmもおすすめしない依頼先は?
あなたは、納得のできない仕上がりに対して、「手直してほしい」と職人さんに直接言うことができますか?
さらに、「これがふつうです」と言われても、引き下がらずに、「ここがおかしいから、こういう方法でやり直してほしい」と言えますか?
この質問に自信をもってYESと言えないのなら、ホームセンターや職人さんへの直接取り引きはやめておきましょう。
筆者がおすすめするリフォーム会社や工務店、ハウスメーカーなら、施主の代わりに職人さんに指示を出してくれる工事監督がつきます。
また、最近は職人さんと施主を直接つなぐマッチングサイトが増えてきていますが、直接取り引きがおすすめできない上に、運営にムリがあるので、筆者はまったくおすすめしていません。
このように思う人にむけて、次はお話していきます。
玄関ドアの交換は、どこに頼むかをこだわる必要があるか
玄関ドアの交換をするだけの工事なのに、どこに頼むかをそこまで真剣に考えなくてもいいのではないか。
このように思う人も何人かいると思います。
でも、筆者はたかだかエアコンの交換工事を家電量販店に頼んだだけで、とても不快な思いをしました。
多少費用が高くなったとしても、もう二度と家電量販店にリフォームを依頼しないとまで思っています。
さらに、我が家は最近、上階からの漏水があり、濡れて痛んだ部分をリフォームする予定。
近所のリフォーム屋2件に見積依頼をかけましたが、
- 施主に工事内容をきちんと説明しない上に、担当者自身もほとんど内容を理解できていないS社
- 初回からジーパンで登場し、態度も横柄なA社
最低レベルのリフォーム会社に連続で2社も付き合うことになり、本当に苦痛でした。
結局、その2社とは話をストップし、筆者の本業でお付き合いのあるリフォーム会社に遠方から来てもらうことにしました。
建築関係者である筆者でも、たいした規模でもないこれらの工事で、とてもイヤな思いをしています。
建築にくわしくない人だったら、その何倍も苦痛だったと思うし、ダメなリフォーム会社にいいようにやられていたように思います。
そうは言っても、まだ何人かは以下のように思うでしょう。
ですので、ここでは玄関ドアの交換で失敗されてしまった人の口コミを2つ紹介します。
仕事が雑です。
プロの仕事とは思えません。
約束の時間には来ないし最悪です。
このような場合どこが保障してくれるのでしょうか?
出典:くらしのマーケット
玄関の欄間を残し扉交換出来るとの事だったが、部品が入手できないとの理由で、玄関の欄間を撤去し、金額も10万円アップした。
また、洗面室の作業途中でユニットバスの扉ガラスを破損させ、ガラス交換したものの、扉の建付けが狂い開け閉めに異音がするようになった。
クレームを入れたら担当者に逆切れされた。
下請けの大工が室内でマスクせず大声で会話していた。
出典:ホームプロ
玄関は家の顔。
どこに頼むかを間違えて残念な仕上がりになってしまったら、必ず後悔します。
安心できる「かかりつけ」に依頼しましょう。
玄関ドアを交換する費用
玄関ドアの交換をどこに頼むかと、2種類の工法についてお話してきました。
ここでは、気になる費用について簡単にお話します。
玄関ドアの交換工事とひとことで言っても、丸ごと交換とカバー工法とでは、その費用はかなり違います。
また、玄関ドアを交換するのではなく、塗装やシートを張ってキレイにする方法も。
いろいろな工法があるので、いちがいに玄関ドアの交換にいくらかかるとは言えませんが、ざっくりとした費用相場を知るのに便利な方法があります。
↓ ↓ ↓
戸建ての玄関ドアリフォーム
マンションの玄関ドアリフォーム
上の画像は玄関ドアリフォームの費用相場についてのもの。
このなかで、玄関ドア交換や、塗装、シートの張り替えなど、さまざまな工法での費用と施工事例をチェックできますよ。
見かたは簡単!
さらに、各価格帯ごとの施工事例と金額も見られるので、相場感をつかむにはピッタリです。
面倒な登録なしで見られるので、気軽にチェックしてみては。
もちろん、無料です。
玄関ドアの交換はどこに頼む|まとめ
玄関ドアの交換リフォームは、どこに頼むかについてお話してきました。
リフォーム設計のプロである筆者が出した答えは、「かかりつけ」に依頼すること。
これがもっとも安心で、ハズレを引く確率が大きく下がる唯一の方法です。
また、玄関ドアを交換する工法は2つ。
丸ごと交換とカバー工法の2種類です。
築年数や他の工事とのバランスで、どちらの工法で玄関ドアを交換するか、依頼先とよく相談することが大切です。
そのため、カバー工法にしか対応できない依頼先ではなく、筆者がおすすめする依頼先、リフォーム会社、ハウスメーカー、工務店の中から選ぶことも忘れないようにしてくださいね。
さっそく、あなたの家の「かかりつけ」を探しましょう。
かかりつけの探し方には、コツが必要。
↓ ↓ ↓
工事の依頼先を探し始める前に、必ずチェックしておいてくださいね。
すてきな玄関ドアに交換できますように。
応援しています。
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