二世帯住宅にリフォームをしようと思ったとき、まっ先に気になるのが「費用」ではありませんか?
この記事では、リフォーム設計歴20年超えの筆者が、二世帯住宅リフォームの、おもに「費用」について解説。
二世帯住宅にリフォームする人が、費用に関して絶対に知っておくべきことを、以下5項目にわけて説明していきます。
- 二世帯住宅リフォーム費用の相場
- 二世帯住宅の間取りパターンと費用の関係
- 二世帯住宅リフォームか新築かの選択
- 二世帯住宅リフォームの費用を下げる方法
- 二世帯住宅リフォームに使える補助金
どの項目も二世帯住宅リフォームをする上で、とても重要です。
二世帯住宅へのリフォームは、リフォームの中でも費用が高め。
何も知らずにリフォーム会社に依頼してしまうと、予算とかけ離れたプランが出てきたりして、思い通りの二世帯住宅にならないことも。
ぜひ、この記事で予算に合った二世帯住宅リフォームを、一緒に考えていきましょう。
これからリフォームをするすべての人に、読んでもらいたい記事はこちら
リフォーム会社を決める前に絶対読んでおいてほしい記事はこちら。
10万円以上のリフォームをする人が、知っておくべきことはこちら。
二世帯住宅リフォームの別記事はこちら。
二世帯住宅へのリフォーム費用|相場を知る
二世帯住宅へのリフォーム費用について知っておくべきこと、1つ目は相場。
二世帯住宅へのリフォームとひとことで言っても、
- 完全分離型の二世帯にするため、玄関をもう1つ増やす二世帯住宅リフォーム
- 1階にある和室を、両親用の寝室にするだけの二世帯二世帯住宅リフォーム
このように、規模の大きなものから、小さなものまでさまざま。
ですので、ひとくくりにして、「二世帯住宅にリフォームをすると、これくらいの費用がかかります」とは言えないのです。
そうですよね。
そんなときに便利なのがこちらのサイト。
↓ ↓ ↓
「こんな二世帯住宅リフォームをしたら、このくらいの費用がかかりました」
という事例が、たくさん載っています。
さらに、「二世帯リフォーム事例の価格分布」まであります。
このサイトの見かたは簡単です。
まずこのリンクをクリック。
↓ ↓ ↓
ホームプロのトップ画面に飛ぶので、「リフォーム費用と相場」をクリック。
パソコン
スマホ
赤枠で囲ったメニューバーをクリックすると、以下の画面が出るので、そこから「リフォーム費用と相場」をクリック。
↓ ↓ ↓
「リフォーム費用と相場」のページに飛ぶので、「戸建て」を選び、「二世帯リフォーム」を選択。
↓ ↓ ↓
先ほどお見せした「一戸建ての二世帯リフォームの費用と相場」のページに飛べます。
このサイトをもう少し深堀りしていきましょう。
まず、「一戸建ての二世帯リフォームの費用と相場」のページ(1つ上の画像)を見ると、二世帯住宅リフォーム費用について、こんなふうにまとめられています。
↓ ↓ ↓
- 目安価格帯 ~1250万円
- 中心価格帯 1000~1250万円
これを見て、
こんなふうに考えた人はいませんか?
/
その考え方は
キケンです
\
冒頭にお話したように、二世帯住宅リフォームとひとことで言っても、完全分離型の二世帯住宅にするリフォームから、和室を両親の寝室にするだけのものまでさまざま。
このさまざまな二世帯住宅リフォームの中心価格帯が、1,000~1,250万円なのです。
ですので、二世帯住宅リフォームの場合、この「目安価格帯」と「中心価格帯」はあまり参考にしない方が吉。
あらためて、「二世帯リフォーム事例の価格分布」を見ていきましょう。
ここにも、目安価格帯と中心価格帯の表記がありますが、それを無視してグラフを見てみると……
もっとも割合が多い価格帯は、2,500万円以上ということがわかります。
二世帯住宅リフォームの場合、単世帯→二世帯住宅に変更するリフォームだけを行うこともありますが、
- もともとの世帯が使っていたキッチンやお風呂などの水廻り設備のリフォーム
- 屋根や外壁などのメンテナンスリフォーム
これらを、一緒にリフォームすることがほとんど。
このように、二世帯住宅リフォームと他のリフォームを兼ねて行うと、もっとも割合の多い2,500万円以上という費用が必要になってきます。
このように、予算が決まっている場合は、以下の使い方がおすすめ。
価格分布の「1750~2000」の部分をクリック。
パソコン
スマホ
▼をクリックすると↓の画面が出るので、
あなたの予算額(この例では1,750~2,000万円) をクリック。
↓ ↓ ↓
「1750~2000万円の一戸建ての二世帯のリフォーム事例」が出てくるので、その事例の中から気になるものをクリックしてみましょう。
↓ ↓ ↓
1,750~2,000万円で行った二世帯住宅リフォームの内容が、こまかく紹介されています。
いくつかの事例をチェックしていくと、自分の予算でどれくらいの二世帯住宅リフォームができるかということが、わかってきますよ。
二世帯住宅へのリフォーム費用|二世帯パターンによる違いを知る
二世帯住宅へのリフォーム費用について知っておくべきこと、2つ目は二世帯の間取りパターンによる違い。
二世帯住宅へのリフォームは、以下3つのパターンがあります。
- 完全分離型
- 一部共有型
- 全部共有型
一部共有型をよくある分離タイプにわけると、リフォームでよく採用される間取りは以下4パターン。
- 完全分離型二世帯住宅 15%
- 玄関共有型二世帯住宅 40%
- 玄関と風呂共有の二世帯住宅 30%
- 全部共有型二世帯住宅 15%
もともとの間取りにもよりますが、二世帯住宅へのリフォームは、世帯間で共有するものが多いほど費用が下がります。
特に、リフォームの場合、単世帯→完全分離型二世帯住宅への間取り変更は、費用が大きくなりがち。
キッチンやユニットバス、洗面台など、すべての水廻り設備がもう1つ必要な上、玄関を1→2にするために、かなり大きな間取り変更を伴うことが少なくありません。
このあたりの話は、別記事「普通の家を二世帯にリフォーム!間取り例や注意点・費用をプロが解説」でくわしく説明しています。
ぜひ、あわせて読んでみてくださいね。
二世帯住宅へのリフォーム費用は、間取りによっては新築より高くなる
二世帯住宅へのリフォーム費用について知っておくべきこと、3つ目は新築との費用比較。
二世帯住宅へのリフォーム費用は、かなり高額。
そのため、間取りをガラッと変えたり、こだわった材料を選んだりしていくと、リフォーム費用が新築を建てるのと変わらなくなってきます。
ですので、「新築を建てるより安くなるから」という理由で、二世帯住宅へのリフォームを考えている人は、
- あまりにもガラッと間取りを変更したり
- あれもこれもすべて新しくしようとしたり
- 材料にすごくこだわったり
このようなことをすると、リフォームでもかなりの高額になることを知っておいてください。
こんな要望を出しておきながら、概算を伝えた途端に、
このような人が少なくないので、予算とできることのすり合わせを事前にしておくことを強くおすすめします。
やりたいことと予算が合っていないと、お施主様もリフォーム会社も、お互いにムダな時間を使うことになりかねません。
二世帯住宅へのリフォーム費用を下げる方法
二世帯住宅へのリフォーム費用について知っておくべきこと、4つ目はリフォーム費用を下げる方法。
二世帯住宅へのリフォーム費用を下げる方法は以下4つ。
- 間取りパターンを変える
- お得な材料を使う
- 完全分離型なら、玄関の位置を近くする
- メンテナンスや親世帯の工事も一緒に行う
1つずつ説明します。
間取りパターンを変える
二世帯住宅へのリフォーム費用を下げる方法、1つ目は間取りのパターンを変え、世帯間の分離方法を変えること。
具体的な例を出してみると、
完全分離型二世帯住宅へのリフォームではなく、玄関とホールは共有にする
↑同じ床面積で、異なるタイプの二世帯住宅プランをつくっています。
2階はどちらのタイプにしても同じ条件なので、プランは変わりません。
完全分離型二世帯住宅へのリフォームではなく、玄関とお風呂を共有にする
完全分離型二世帯住宅へのリフォームではなく、全部共有にする
世帯間で共有する部分が増えれば増えるほど、リフォーム費用は下がっていくので、どの程度独立性を保ちたいかとあわせて検討してみましょう。
お得な材料を使う
二世帯住宅へのリフォーム費用を下げる方法、2つ目はお得な材料を選ぶこと。
キッチンセットやユニットバス、フローリングやドアなど、リフォームで使う材料には、すべて定価と仕入れ値があります。
リフォーム会社によって、安く仕入れられる材料はまちまち。
このような場合は別ですが、とくにこだわりがない場合は、リフォーム会社が安く仕入れられる材料を積極的に選んでいきましょう。
リフォームに使うすべての材料でお得なものを選んでいけば、そうでない場合とくらべて費用は大きく下がります。
完全分離型なら、玄関の位置を近くする
二世帯住宅へのリフォーム費用を下げる方法、3つ目は道路~玄関のアプローチについて。
単世帯→完全分離型二世帯住宅にリフォームをする場合、新しい玄関~道路までのアプローチ工事も必要。
既存の玄関と新しい玄関が遠いほど、アプローチ工事の費用は大きくなります。
玄関が近くてアプローチ費用があまりかからない実例
玄関が遠くてアプローチ費用がかなりかかる実例
内部のリフォームにかかる費用だけでなく、外部の工事費用についてもよく考えて、間取りを検討しましょう。
メンテナンスや親世帯の工事も一緒に行う
二世帯住宅へのリフォーム費用を下げる方法、4つ目は二世帯住宅リフォーム以外の工事について。
これは、今回のリフォーム費用を下げるというのではなく、将来も含めたリフォーム価格を下げるという内容です。
リフォームは基本的にまとめて行った方が、費用が下がります。
築20年以上の家を二世帯住宅にリフォームする場合は、外壁塗装などのメンテナンス工事も一緒にやった方が、足場を兼用できるなどでお得になることがほとんど。
また、新しく入居する世帯の水廻り設備だけでなく、もともと住んでいる世帯の水廻り設備も一緒に交換した方が、工事をわけるよりも費用を安くおさえられます。
リフォームを安い費用で成功させるコツについては、別記事を書いています。
あわせてどうぞ。
リフォームを安い費用で成功させる6つのコツ!リフォーム設計のプロが解説
二世帯住宅へのリフォーム費用は高め!補助金を活用すべし
二世帯住宅へのリフォーム費用について知っておくべきこと、5つ目は補助金について。
二世帯住宅にリフォームをする際に、使える補助金がいくつかあります。
よく使われるのは以下3つ。
- 介護保険
- こどもみらい住宅支援事業→こどもエコすまい支援事業
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業
1つずつ簡単に説明します。
介護保険
在宅での生活に支障がないように、手すりの取付け等特定の住宅改修を行った場合に、一定の限度額内において、かかった費用の9割(1割負担の場合)が介護保険の給付費として、保険者から払い戻されます。
- 対象:要支援、要介護者
- 限度額:20万円(保険給付18万円(1割負担の場合))
二世帯リフォームというよりは、要支援、要介護者のために手すりをつけたり、段差をなくしたりするためのリフォームに対して、工事費用が払い戻される制度。
二世帯リフォームの場合、親世帯で手すりをつけたり、バリアフリーにする工事をすることが多いので、その工事に対して介護保険を使うことがあります。
こどもみらい住宅支援事業→こどもエコすまい支援事業
最近、もっとも使われることが多い補助金。
条件は2つ。
- こどもみらい住宅事業者と工事請負契約等を締結し、リフォーム工事をする
- リフォームする住宅の所有者等であること
「こどもみらい住宅事業者」と契約する必要があるので、大手リフォーム会社以外だと、事業者ではない可能性も。
また、以下の場合は補助の上限額がアップします。
- 子育て世帯または若者夫婦世帯が、自ら居住する住宅に行うリフォーム工事である
- 工事発注者が、自ら居住するために購入した既存住宅に行うリフォーム工事である
対象となるリフォームには、断熱やエコ住宅設備など、さまざまな工事があるので、くわしくは公式サイトをチェックしてみてくださいね。
こどもみらい住宅支援事業の受付が2022.11.28に終了しました。
新たに、こどもエコすまい支援事業が創設されたので、こちらをチェックしてみてくださいね。
長期優良住宅化リフォーム推進事業
この長期優良住宅化リフォーム推進事業も、人気があります。
こちらも、こどもみらい住宅支援事業同様、指定された業者とのリフォーム契約でないと、補助金がもらえません。
補助金をもらう条件はいくつかありますが、もっとも重要なのが、
リフォーム工事前に、インスペクションを行うこと
インスペクションとは、資格を持った人による建物状況調査。
大手リフォーム会社には「既存住宅状況技術者」という資格を持った人が必ず居るので、スムーズに補助金をもらうことができます。
補助金全般について
よく使われる補助金を3つ紹介しましたが、各補助金は、年度ごとに予算や要件が決まっているため、いつでも自由に使えるというものではありません。
また、ここで紹介した以外の補助金もたくさんあるので、どんな補助金が今回のリフォームに使えるかは、リフォーム会社にしっかりと説明してもらってくださいね。
また、こどもみらい住宅支援事業や長期優良住宅化リフォーム推進事業のように、指定された事業者と契約することが、補助金をもらう条件になっているケースも。
この場合、地元の工務店などでは、対応できない可能性が高いです。
そして、補助金の申請はけっこう難しいので、担当者によっては、こんな対応をされることも。
こういう面倒なことを避けるタイプのリフォーム会社や担当者は、私のこれまでの経験上、ハズレな可能性が大。
大手リフォーム会社にも、このようなダメ担当者がゴロゴロ存在するので、目を光らせてリフォーム会社と担当者を選んでくださいね。
二世帯住宅へのリフォーム|費用よりも大事なこと
二世帯住宅へのリフォームを進めていく上で、費用より大切なことがあります。
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二世帯住宅へのリフォーム費用|まとめ
二世帯住宅へのリフォーム費用についてお話してきました。
二世帯住宅へのリフォーム費用は、リフォームの中では高額。
既存の間取りや窓位置などを生かさず、ガラリと変えようとすると、新築に近い費用がかかることも多々あります。
また、二世帯間の分離は、リフォーム費用を大きく左右。
共有するエリアが増えれば増えるほど、リフォーム費用は安くおさえられます。
リフォーム会社に見積もりを依頼する前に、まずはどのくらいの規模の二世帯リフォームで、いくらくらいの費用がかかるのかという予算感を持っておくことをおすすめします。
費用相場のチェックは、こちらからどうぞ。
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