二世帯住宅にリフォームをするときの注意点と、知っておくべきことをリフォーム設計のプロが解説します。
二世帯住宅へのリフォームは、難易度が高め。
注意点や知っておくべきことを知らずに、いきなりリフォーム会社に見積もり依頼をしてしまうと、
- 予算とかけ離れたプランが出てきたり、
- 世帯間で必要以上に気を使いながら生活せざるを得なくなったりして、
満足な二世帯住宅リフォームができないことも。
この記事では、リフォーム設計歴20年超えの筆者が、これまでの二世帯住宅リフォームの経験をもとに、以下の側面からさまざまな注意点についてお話していきます。
- 二世帯住宅リフォーム全般の注意点
- 二世帯住宅リフォームの費用に関する注意点
- 完全分離型二世帯住宅にリフォームするときの注意点
- 2階メインの二世帯住宅リフォームの注意点
また、二世帯住宅リフォームの実例も5つ紹介。
先に解説する注意点をふまえて、実際のリフォーム事例をチェックすると、二世帯住宅についての理解がめちゃくちゃ深まりますよ。
ぜひ、最後まで読んで、二世帯住宅リフォームの参考にしてくださいね。
これからリフォームをするすべての人に、読んでもらいたい記事はこちら。
リフォーム会社を決める前に絶対読んでおいてほしい記事はこちら。
10万円以上のリフォームをする人に、知っておいてほしいことをまとめた記事はこちら。
二世帯住宅リフォームの注意点①二世帯全般編
二世帯住宅リフォームの注意点、1つ目は二世帯リフォーム全般について。
- 単世帯→二世帯住宅
- 二世帯住宅→二世帯住宅
どちらのリフォームにも共通して、知っておくべき注意点は以下6つ。
- 二世帯の分離方法によるメリットデメリットを知る
- 危険な戸
- 子どもの音問題
- 水廻りの音問題
- 築30年以上など、築年数の古い家を二世帯にリフォームするときの注意点
- 二世帯住宅へのリフォームは住みながら工事できる?
1つずつ簡単に説明していきますが、より詳しい内容を別記事で解説しています。
↓ ↓ ↓
普通の家を二世帯にリフォーム!間取り例や注意点・費用をプロが解説
二世帯の分離方法によるメリットデメリットを知る
二世帯住宅リフォーム全般の注意点、1つ目は二世帯の分離方法によるメリットデメリットを知っておくこと。
二世帯住宅リフォームで、よく採用される間取りのパターンは以下4つ。
- 完全分離型二世帯住宅 15%
- 玄関共有型二世帯住宅 40%
- 玄関と風呂共有の二世帯住宅 30%
- 全部共有型二世帯住宅 15%
割合は、筆者がこれまでに設計した二世帯住宅リフォームから、ざっくり割り出しています。
どのタイプの間取りパターンを選ぶかによって、ひとことで二世帯住宅リフォームといっても、独立性や費用、間取りのゆとりがまったく異なります。
たとえば、完全分離型二世帯住宅だと、こんな感じ。
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完全分離型二世帯住宅
独立性 | |
費用の安さ | |
部屋のゆとり |
同じ床面積で、玄関共有型二世帯住宅をプランするとこんな感じ。
↓ ↓ ↓
玄関共有型二世帯住宅
独立性 | |
費用の安さ | |
部屋のゆとり |
二世帯住宅リフォームを計画する際、多くのお施主様が最初は以下のように要望します。
でも、上の間取り例でわかるように、完全分離型二世帯住宅は独立性が高いというメリットはあるけれど、費用が高く間取りのゆとりがないというデメリットがあります。
各分離タイプのメリットデメリットを知った上で、どのタイプの間取りにするかを決めましょう。
危険な戸
二世帯住宅リフォーム全般の注意点、2つ目はよく施主から要望されるけど、危険な戸について。
1階を親世帯、2階を子世帯にする二世帯住宅リフォームで多い要望が、この位置への戸の設置。
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親世帯が気安く子世帯に入ってこないように、戸をつけたいということなのでしょうが……
/
めちゃくちゃ
キケンです!
\
戸を開けてすぐに階段があるので、うっかり踏み外して転落してしまう恐れがあります。
戸をつけるのは、段差のないフラットな部分にしましょう。
子どもの音問題
二世帯住宅リフォーム全般の注意点、3つ目は子どもの音問題。
二世帯住宅リフォームをするときに、親世帯がもっとも気にするのが「音」。
子どもが走り回りそうな部屋、子ども部屋やLDKは、親世帯の寝室上部に配置しないようにするなど、配慮が必要です。
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水廻りの音問題
二世帯住宅リフォーム全般の注意点、4つ目は水廻りの音問題。
二世帯住宅の音問題は、子どもが出す音だけではありません。
水廻りから出る排水音なども、うるさくて気になるという声をよく聞きます。
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親世帯の寝室の真上や隣接した位置に、子世帯の水廻り空間をつくると、お互いに気をつかいます。
位置を変えるか、遮音材を使うなどの防音対策をしましょう。
築30年以上など、築年数の古い家を二世帯にリフォームするときの注意点
二世帯住宅リフォーム全般の注意点、5つ目は築年数の古い家のリフォームについて。
住宅には築年数に応じて、必要な工事があります。
たとえば、以下のようなもの。
- 外壁工事
- 屋根工事
- 白アリ防除工事
- バルコニーの防水工事
- 給水給湯管の更新
- 水廻り設備の更新
- 内装のやりかえ
タイミング的に、これらの工事と二世帯住宅リフォームの時期が近い場合は、別々に工事をするよりも、一緒にしてしまった方がトータルの費用としては下がります。
今回の二世帯住宅リフォームのことだけでなく、将来に必要な工事についても考えて、リフォーム範囲を検討しましょう。
二世帯住宅へのリフォームは住みながら工事できる?
二世帯住宅リフォーム全般の注意点、6つ目は住みながらの工事について。
二世帯住宅リフォームをするときに、よく以下のように質問をされます。
二世帯住宅へのリフォームは、規模の大きなものがほとんどなので、基本的には仮住まいをおすすめします。
でも、2階メインのリフォームで、1階は最低限の工事しかしない場合は、1階だけで生活ができるなら可能。
ただし、2階の荷物はすべて1階に下ろす必要があるし、工事音はかなりのものに。
どちらにしても、リフォーム会社とよく相談して決めることを強くおすすめします。
二世帯住宅リフォームの注意点②費用と補助金編
二世帯住宅リフォームの注意点、2つ目は費用や補助金について。
おもに、「お金」に関する注意点を、以下4つにわけて説明します。
- 二世帯住宅リフォーム費用の相場
- 二世帯住宅リフォームか新築かの選択
- 二世帯住宅リフォームの費用を下げる方法
- 二世帯住宅リフォームに使える補助金
1つずつ簡単に説明していきますが、より詳しい内容を別記事で解説しています。
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二世帯住宅にリフォーム!費用と相場・補助金で知っておくべき5つのこと
二世帯住宅リフォーム費用の相場
二世帯住宅リフォームのお金に関する注意点、1つ目は費用相場について。
二世帯住宅リフォームには、
「間取りを大きく変更して、単世帯→完全分離二世帯住宅にするもの」
から、
「和室を両親の寝室用にリフォームするだけのもの」
まで、さまざまな規模のものがあります。
ですので、二世帯住宅リフォームをひとくくりにして、「費用はこれくらいかかる」とはいえません。
でも、「こんな感じの二世帯住宅リフォームをしたら、いくらかかった」という実例データや、二世帯リフォーム事例の価格分布などが見られるサイトがあります。
↓ ↓ ↓
名前や住所、メアドなどの登録は一切不要で、ダウンロードも不要。
気兼ねなくチェックしてみてくださいね。
- トップページから画像の「二世帯リフォームの費用と相場まで」への行き方
- サイトの使い方
これらは、「二世帯住宅にリフォーム!費用と相場・補助金で知っておくべき5つのこと」でくわしく説明しています。
相場感がないままリフォーム会社に見積もり依頼をすると、やりたいことと予算が合わず、予算とかけ離れたプランがでてくる可能性も。
紹介したサイトで、相場感をつけてからリフォーム会社に見積依頼をしましょう。
二世帯住宅リフォームか新築かの選択
二世帯住宅リフォームのお金に関する注意点、2つ目はリフォームと新築の選択について。
二世帯住宅へのリフォームは、基本的に規模が大きく、費用が高額。
ですので、
- 間取りをあまりにも大きく変更したり
- あれもこれも新しくしたり
- 材料にこだわり過ぎたり
このようにしていくと、新築を建てるのと変わらないリフォーム費用になることがよくあります。
費用の面で、新築ではなくリフォームを選ぶ人は、注意しましょう。
二世帯住宅リフォームの費用を下げる方法
二世帯住宅リフォームのお金に関する注意点、3つ目は費用を下げる方法について。
あんまりにも、こだわり過ぎると、リフォームの費用がとても高くなると先にお話しました。
では、どうすれば費用を下げることができるか。
その方法は以下4つ。
- 間取りパターンを変える
- お得な材料を使う
- 完全分離型なら、玄関の位置を近くする
- メンテナンスや親世帯の工事も一緒に行う
この4つの方法については、別記事「二世帯住宅にリフォーム!費用と相場・補助金で知っておくべき5つのこと」で、1つずつくわしく説明しています。
費用を下げる方法を知らずに、二世帯住宅リフォームの計画を進めてしまうと、ほんのちょっとの違いで、大きな費用が掛かってしまうことがありますよ。
二世帯住宅リフォームに使える補助金
二世帯住宅リフォームのお金に関する注意点、4つ目は補助金について。
補助金についても、知らないと、損をしてしまう可能性があります。
リフォームでよく使われる補助金は、以下3つ。
- 介護保険
- こどもみらい住宅支援事業→こどもエコすまい支援事業
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業
この3つの補助金については、別記事「二世帯住宅にリフォーム!費用と相場・補助金で知っておくべき5つのこと」で、1つずつくわしく説明しています。
補助金は手続きがけっこう面倒なので、教えてくれないリフォーム会社や担当者も。
注意しましょう。
二世帯住宅リフォームの注意点③完全分離型二世帯住宅編
二世帯住宅リフォームの注意点、3つ目は完全分離型の二世帯住宅リフォームについて。
完全分離型の二世帯住宅にリフォームするときの注意点は、以下2つ。
- 完全分離型二世帯リフォームは、アプローチのこともよく考える
- 完全分離型二世帯住宅でも、二世帯間に出入りできる戸が必要
1つずつ簡単に説明していきますが、より詳しい内容を別記事で解説しています。
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二世帯住宅にリフォーム【完全分離型】間取り実例と注意点をプロが解説
完全分離型二世帯リフォームは、アプローチのこともよく考える
完全分離型二世帯住宅リフォームの注意点、1つ目はアプローチについて。
単世帯→完全分離型二世帯住宅にリフォームをするときは、玄関を1→2にする必要があります。
そうすると、新しい玄関~道路までのアプローチも必要。
もともとの玄関と離れた位置に新しい玄関をつくると、アプローチ工事に大きな費用がかかります。
大きな費用がかかる例はこんな感じ。
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それほど大きなアプローチ費用がかからない例はこんな感じ。
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完全分離型の二世帯住宅リフォームを計画するときは、内部の費用だけでなく、アプローチなどの外部にかかる費用のことも考えて検討しましょう。
完全分離型二世帯住宅でも、二世帯間に出入りできる戸が必要
完全分離型二世帯住宅リフォームの注意点、2つ目は世帯間の出入りについて。
「一戸建ての住宅」を二世帯住宅にリフォームをする際に注意すべきことが、この世帯間の出入り。
建物の用途を「一戸建ての住宅」から変更せずに、二世帯住宅にリフォームをするためには、世帯間の戸が必要です。
建物内で世帯間の出入りができないと、用途を変更しなければならない上、法規が厳しくなるので、余計な工事がたくさん発生。
リフォームの場合、この用途変更は現実的ではないので、必ず世帯間に戸をつけて出入りできるようにしています。
二世帯住宅リフォームの注意点④2階メインのリフォームで二世帯住宅編
二世帯住宅リフォームの注意点、4つ目は2階メインの二世帯住宅リフォームについて。
ここで注意することは、1つ。
- 二階だけのリフォームでは、二世帯住宅にできないケースがほとんど
簡単に説明しますが、よりくわしい内容は別記事で解説しています。
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二階だけのリフォームで二世帯住宅は可能?間取り実例と注意点をプロが解説
二階だけのリフォームでは、二世帯住宅にできないケースがほとんど
- 1階を親世帯
- 2階を子世帯
このように分離した二世帯住宅に、リフォームをしようとしている人からよくされる質問が以下。
これに対する答えは、ほとんどの場合でNO。
- 2階に増築したり、間取り変更したりするのに伴う、構造工事
- 2階に新しくつくる水廻り設備への配管工事
これらの工事が、1階にも必要になるケースがほとんどです。
二世帯住宅リフォームの実例
ここまでに、二世帯住宅リフォームの注意点を4つの側面からお話してきました。
次は、実際に筆者が設計を行った二世帯住宅リフォームの実例を5つ紹介。
- 単世帯の2階を増築して、完全分離型の二世帯にリフォームした実例
- 玄関共有型二世帯から、完全分離型二世帯住宅にリフォームした実例
- 単世帯の1階だけをリフォームして、玄関共有型二世帯住宅にした実例
- 単世帯の2階をメインでリフォームして、玄関共有型二世帯住宅にした実例
- 単世帯の2階をメインでリフォームして、玄関と風呂を共有の二世帯住宅にした実例
1つずつダイジェスト版で、図面だけ紹介していきますが、別記事ではもっとたくさんの画像をつかって丁寧に解説しています。
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二世帯住宅へのリフォーム実例5つ!ビフォーアフター図面でわかりやすく解説
単世帯の2階を増築して、完全分離型の二世帯にリフォームした実例
二世帯住宅リフォームの間取り実例、1つ目はこれ。
↓ ↓ ↓
1F
↓ ↓ ↓
2F
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玄関共有型二世帯から、完全分離型二世帯住宅にリフォームした実例
二世帯住宅リフォームの間取り実例、2つ目はこれ。
↓ ↓ ↓
1F
↓ ↓ ↓
2F
↓ ↓ ↓
単世帯の1階だけをリフォームして、玄関共有型二世帯住宅にした実例
二世帯住宅リフォームの間取り実例、3つ目はこれ。
↓ ↓ ↓
1階
↓ ↓ ↓
2階はリフォームなし
単世帯の2階をメインでリフォームして、玄関共有型二世帯住宅にした実例
二世帯住宅リフォームの間取り実例、4つ目はこれ。
↓ ↓ ↓
1Fは間取り変更なし
2F
↓ ↓ ↓
単世帯の2階をメインでリフォームして、玄関と風呂を共有の二世帯住宅にした実例
二世帯住宅リフォームの間取り実例、5つ目はこれ。
↓ ↓ ↓
1F
↓ ↓ ↓
2F
↓ ↓ ↓
二世帯住宅リフォームの必勝法
二世帯住宅リフォームは、リフォームの中ではかなり難易度の高い工事。
難易度の高いリフォームは、失敗すると手の付けようがないくらい、しっちゃかめっちゃかになりがちです。
このまま、二世帯住宅リフォーム計画を進めていく前に、筆者が書いた渾身の記事を読んでもらえませんか。
リフォームで不満を募らせる人があまりにも多いので、リフォームに失敗する人を1人でも減らしたいと願い、書いた記事です。
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リフォーム成功に必要なたった1つのこと|すべての失敗はコレが原因
リフォームのウラもオモテも知り尽くした筆者が、あなたにリフォームの必勝法を伝授します。
二世帯住宅リフォームの注意点|まとめ
二世帯住宅リフォームについての注意点を、さまざまな側面からお話してきました。
どの注意点も、二世帯住宅リフォームをするときに、知っておいてほしいものばかり。
リフォーム会社にいきなり見積もり依頼をする前に、別記事も含めて、これらの注意点をしっかりと確認しておきましょう。
後悔のない二世帯住宅リフォームができますように。
リフォーム成功に必要なたった1つのこと|すべての失敗はコレが原因
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【10万円以上のリフォームをする人】絶対知っておくべき5つのこと|プロが解説
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