リフォームの見積もりが高いと感じたときの解決策について、リフォーム設計のプロが解説します。
リフォームの見積もりが高い場合、効果的なコストダウン策は以下3つ。
- 工事範囲を縮小する
- コスパの悪い工事を、コスパの良い工事に変更する
- リフォーム会社で有利に仕入れられる材料を使用する
相見積もりを取ることは必要ですが、相見積もりで選ぶべきリフォーム会社は、「見積もり金額が安い会社」ではありません。
このあたりのことは、別記事でめちゃくちゃくわしく説明しているので、そちらをチェックしてみてください。
リフォーム会社の選び方|プロが教えるトラブル会社を見抜く【必勝法】
これについても、リフォームの見積もりが高いからといって、施主支給を増やすのは得策ではありません。
施主支給はリフォーム会社にとってデメリットしかないので、あまりに多くの施主支給をすると、管理費などの追加費用を請求されることも。
また、不具合があったときの「責任の所在」があいまいになるため、リフォームを20年以上経験している筆者としては、まったくおすすめできません。
そんな裏ワザ的な方法ではなく、まずは、リフォームの見積もりがどのように作られているかを知ってください。
「高い見積もりをなんとかしたい」のなら、見積もりの中身を知らなければ、対応できませんよ!
この記事では、リフォームの見積もりが高いときの解決策とあわせて、リフォームの見積もりがどうやって作られているのかについてもくわしく説明していきます。
リフォームをする人は全員知っておいてほしい内容ですが、ほとんどの人がわかっていないので、しっかりと確認していきましょう!
これからリフォームをするすべての人に、読んでもらいたい記事はこちら。
リフォームはどこに頼む?プロが教えるもっとも安全な依頼先!小工事も
10万円以上のリフォームをする人が、必ず知っておくべき内容をまとめた記事はこちら。
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リフォームの見積もりが高いときの解決策
リフォームの見積もりが高いときの解決策は、先に話した以下3つ。
- 工事範囲を縮小する
- コスパの悪い工事を、コスパの良い工事に変更する
- リフォーム会社で有利に仕入れられる材料を使用する
1つずつ説明していきますね。
リフォームの見積もりが高いときは、工事範囲を縮小する
リフォームの見積もりが高いときの解決策、1つ目は工事範囲を縮小すること。
こんなふうに言われそうですが、もっとも確実に、そして効果的に、リフォームの見積もりを下げる方法はこれ。
トイレのリフォームはすべて、数年後にお金がたまってから行う
などの対策です。
ここで注意があります。
洗面脱衣室のリフォームは今回行うけれど、お風呂は次回の工事にする
これはNG。
お風呂の工事を行うと、脱衣室の一部も一緒に工事することになるので、お風呂と脱衣室は一緒にリフォームしないとムダな工事が発生するから。
どのリフォームを縮小したらいいかは、リフォーム会社とよく相談しながら、決めていきましょう。
リフォームの見積もりが高いときは、コスパの悪い工事を、コスパの良い工事に変更する
リフォームの見積もりが高いときの解決策、2つ目はコスパの悪い工事を、コスパの良い工事に変更すること。
たとえば、既製品にないサイズで計画している造作家具を、既製品で計画できるプランにするなどの対応です。
どうしても、これじゃなきゃダメなんだというものは別ですが、たいしてこだわっていないのに、割高なリフォームをしようとする人が意外とたくさんいます。
おそらく、金額の差があまりわからずに選んでしまっていると思うので、これも、リフォーム会社に
と質問してみてくださいね。
リフォームの見積もりが高いときは、リフォーム会社で有利に仕入れられる材料を使用する
リフォームの見積もりが高いときの解決策、3つ目はリフォーム会社で有利に仕入れられる材料を使用すること。
リフォーム会社と材料メーカー(商社)の間では、「取り決め価格」というものがあります。
この取り決め価格は、各リフォーム会社とメーカーによって異なります。
たとえば、「A社はリクシルのキッチンが安く仕入れられるけれど、B社はリクシルよりパナソニックのキッチンの方が安く仕入れられる」というようなこと。
すべてのリフォーム材料で、お得に仕入れられる材料を選べば、見積もり金額はかなり安くなるはず。
こだわりのあるもの以外は、お得な材料を選びましょう。
次はリフォームの見積もりがどうやって作られているかを説明します。
高いリフォーム見積もりをなんとかするためには、見積もりについて知っておかないと、対策ができません。
リフォームの見積もりが、どのように作られているか
リフォームの見積もりが高いときの解決策をお話してきましたが、リフォームの見積もりがどのように作られているかを理解した上で、減額案を考えていきましょう。
リフォームの見積もりには、たくさんの項目があり、それぞれの項目は数々の選択肢の中から適切なものが選択されています。
ちょっとわかりにくいと思うので、トイレをリフォームする場合の例で考えてみましょう。
トイレの画像を使い、「選択が必要な部分」に番号をつけてみました。
この番号がついた部分について、それぞれ
- どんな工事内容にするか
- どんな材料を選ぶか
の選択が必要です。
番号順にざっと選択肢を見てみると、
- 天井の壁紙(クロス)は張り替えるか
- 廻り縁(天井と壁の間にある木材)は交換するか、塗装するか
- 照明器具は交換するか、どんな器具か
- トイレにミラーはつけるか
- 壁紙は張り替えるか、タイル張りなど壁紙ではない材料を使うか
- 窓枠は交換するか、塗装するか
- 窓は交換するか、交換するならどんな窓にするか
- ウォシュレットはリモコンタイプか、それとも便座横に操作ボタンがつくタイプか
- 手洗い器は必要か、どんな手洗い器をつけるか、壁に埋め込むための壁工事は必要か、それともタンクに手洗い器がついているタイプか
- 収納は必要か、手洗い器についている収納で十分か、それとも別に吊戸などが必要か
- 紙巻き器は交換するか、棚付き?2連?それとも既存再利用か
- 体重がかけられる棚や手摺などのバリアフリー商品は必要か、取付方法はどんな工法なのか
- 巾木(床と壁の間にある木材)は交換するか、塗装するか
- 床材は張り替えるか、フロアタイルか、フロアシートか、フローリングか
- フロアシートの下に張ってある床合板は張り替えるか、上張りするか、既存再利用か
- 床下の配管(給水管)は交換するか、どんな管を使用するか、どの範囲で交換するか
- 便器はどんなものを選定するか
- コンセントは交換するか、アースはもともとついているか、新設するか
簡単にまとめてもこれだけの選択肢があります。
リフォームの見積もりは、このようにたくさんの選択を積み重ねて作られています。
リフォームの見積もりを見る上で大事なこと、それは「どの選択肢を選んで作られた見積なのか」を理解すること。
次はそのことについてお話します。
見積もりに含まれている内容の確認方法
リフォームの見積もりが、どの選択肢を選んで作られたものなのかを確認することが大事だと先にお話しました。
- 無垢のフローリングがいいと言ったのに、シートフローリングで見積もりされていた
- 窓も交換すると思っていたのに、窓の交換は見積もりに含まれていなかった
このような行き違いをなくすために、どの選択肢を選んで見積もりされているかを把握しておくべきだからです。
たくさんの選択肢の中の「どの内容」で見積もりされているかを把握するのはとても大変ですが、可能な限り理解しておくと行き違いは少なくなりますよ!
まずは見積もりの説明をしっかり聞きましょう。
そのリフォーム見積もりに
- 含まれているもの
- 含まれていないもの
をしっかり説明してもらってください。
見積書だけでなく、
- 図面
- カタログ
- 仕上表
- 商品(材料)リスト
- 口頭での説明
などを組み合わせて、しっかり説明してもらいましょう。
たとえば、見積書に「フローリング張替」と明記されていても、どんなフローリング材なのかわからないですよね。
実際のサンプルやカタログなどを見せてもらうことで、どんなフローリングで施工されるのかを確認してください。
お施主様は素人なのでリフォームの見積書がわからないのは当然。
わからないことはどんどんリフォーム会社に質問しましょう。
きちんと説明してくれなかったり、よくわからない説明しかしてくれないリフォーム会社は、要注意です!
リフォームの見積書|チェック方法
リフォームの見積もりがどんな選択肢を選んでできたものかを確認することが重要だとお話しましたが、ここでは見積書を自分で見るときのチェック方法についてお話します。
リフォームの見積書にはよくわからない専門用語が並んでいるし、㎡数などの数量も正しいのかどうかわからないと思います。
分からない部分をすべて理解しようとすると大変な労力がかかりますので、そこまでする必要はありません。
ですが、わかる部分だけでも頑張って見てみてください!
わかるところだけをチェックするだけでも、色々発見できると思いますよ。
たとえば、
- 外壁塗装だけをお願いしているのに、なぜか屋根の塗装が見積もりに入っている
- 雨戸は全部シャッターに交換するはずなのに、なぜか雨戸塗装が見積もりに入っている
- 壁紙張替の㎡数が明らかに他社と比べて多い
- 太陽光は欲しいけれど蓄電池はいらないと伝えたのに、なぜか蓄電池が見積もりに入っている
このような、専門家でなくてもわかりそうな間違いを発見できる可能性があります。
ここだけの話、リフォームの見積もりは複雑なせいか、「かなりの確率で」間違いがあります。
あまりにも間違いが多い見積もりを持ってくる会社は要注意!
誤字脱字が多すぎる見積書も微妙です。
また、その間違いを指摘したときの担当者の対応もしっかり確認してくださいね。
リフォームの追加見積もり
次はリフォームの追加見積もりについてお話します。
2回目以降にもらう見積もりのチェックは意外に簡単。
前の見積もりと比べてどこが変わっているのかをチェックすればいいだけです。
ですが、追加見積もりならではの注意があるので説明しますね。
リフォームの場合、こまかく内容を打合せして決める前に、とりあえずの内容をリフォーム会社が選択し、その内容で見積もりを作り、契約をします。
これはリフォーム会社が契約するまでの見積もり作成やプラン作成を無料にしている都合によるもので、契約前に無料で何回もの打合せをすることができないことから、このような契約のしかたをしています。
これ自体は全然悪いことではなく普通のことなのですが、
- 見積もり提出
- 契約
- 何回かの打合せ
- 契約後に変更した内容で追加見積もり提出、再契約
と進んでいく中で、
- 契約後に変更した内容で追加見積もり提出
の段階になって、最初の見積もりに入れ忘れた項目を「黙って」入れる担当者が「結構」います。
たとえば、最初から外壁塗装をする予定だったのに、初回見積に足場の費用を入れ忘れてしまい、そのまま契約。
打合せで変更した内容で追加見積もりを作る時に、その足場代を「黙って」見積に入れるというような行為です。
初回の見積もりを検討した結果、その会社でリフォームすることを決めて契約したのに、その見積もりに入れ忘れたからといって、後から項目を「黙って」追加するのは信頼をなくす行為だと思いませんか。
見積もりをするのも人間ですから、間違いはあるかと思います。
でもそれを「黙って」後から見積もりに入れるのはどうでしょうか。
「説明した上でお施主様が納得すれば追加させていただく」というスタンスが、正しいあり方だと私は考えています。
ですので、そういった項目を見付けた場合は、遠慮することなく担当者に確認してみてくださいね。
もちろん、打合せで変更した内容が見積もりに追加されているのは当然のことですので、そこは混同しないようにしてください。
相見積もりにおけるリフォーム見積もりの比較方法
リフォームを相見積もりにする場合は、各リフォーム会社の見積もりを比較しなければなりません。
次は相見積もりの場合にどのように見積もり比較をすべきかについてお話します。
この記事の最初に、リフォームでは工事内容や材料の選択肢がとても多いことをお伝えしました。
たくさんの見積もり項目ごとにたくさんの選択肢があり、それぞれのリフォーム会社が「もっともお施主様の家に合う選択肢」を選択しながら見積もりを作成するので、各リフォーム会社の見積もり内容は決して同じにはなりません。
まったく同じ工事内容での見積もりではありませんから、金額だけで比較してしまうとおかしなことになりますね。
全く同じ工事内容で各社が見積をすることは不可能で無意味だということは別記事で詳しく説明しています。
あわせてどうぞ!
リフォームの相見積!注意点やマナーなど6つのポイントをプロが解説
見積もりに含まれる内容をしっかり説明してもらい、その内容と見積もりを合わせて検討しましょう。
ただ、「リフォーム会社を選ぶ」という意味では、見積もり内容そのものよりも「会社との相性」が重要。
リフォーム会社の選び方についても別記事で詳しく説明しています。
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リフォームの見積もりが高いときの解決策|まとめ
リフォームの見積が高いときの解決策を3つ紹介しました。
結局は、
よいリフォーム会社を選び、そのリフォーム会社とよく相談しながら、高い見積もりをどうやれば下げられるか、一緒に検討していく
これしかありません。
よいリフォーム会社のよい担当者なら、予算よりも見積もりが高いときでも、きちんと対応を考えてくれますよ。
一番やってはいけないのが、「見積もり金額が安い」というだけで、リフォーム会社選びをすること。
これをやって、リフォームを成功させるのは、ほとんど絶望的です!
よいリフォーム会社のよい担当者を選び、納得の金額でリフォームができますように。
応援しています!
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