お風呂リフォームでよくある後悔ポイントについて、リフォーム設計のプロが解説します。
お風呂のリフォームが終わってから、
このような後悔をしているお施主様はけっこうたくさん。
他社で中途半端なお風呂リフォームをし、どうしても気に入らないからと、数年後に一部をやり直すという工事も、筆者は度々担当しています。
高いお金をかけて行うお風呂のリフォーム。
後悔のないお風呂リフォームができるよう、しっかりと「後悔ポイント」をチェックしていきましょう。
後悔ポイントは、以下にわけて説明していきます。
- お風呂のインテリア
- ユニットバス選び
- お風呂の位置変更
- 電気容量
- 配管
- お風呂の窓
まずは、お風呂のインテリアから説明していきます。
これからリフォームをするすべての人に、読んでほしい記事はこちら。
リフォーム会社を決める前に絶対読んでおいてほしい記事はこちら。
10万円以上のリフォームをする人が、必ず知っておくべき内容をまとめた記事はこちら。
お風呂についての別記事はこちら。
マンションリフォームについての記事はこちら。
お風呂リフォームの後悔ポイント①インテリア
お風呂リフォームの後悔ポイント、1つ目はインテリア。
ポイントは2つ。
- 寒々しさや暑苦しさに注意
- 脱衣室とのバランス
1つずつ説明します。
寒々しさや暑苦しさに注意
この、寒々しさや暑苦しさは、お風呂のリフォームでめちゃくちゃ多い後悔ポイント。
例をすこしあげてみます。
出典:TOTO サザナ
出典:パナソニック オフローラ
ブルー系の寒色や、オレンジ系の暖色に起こりがちの後悔ポイント。
同じブルーでもグリーン寄りのブルーにしたり、オレンジも青みがかった色を選んだりするなどすると、全然印象が違います。
お風呂のインテリアを考えるときは、四季を通じて快適に過ごせる色を選びましょう。
お風呂と脱衣室とのインテリアバランス
お風呂をリフォームするときは、隣接する脱衣室(洗面室)もあわせてリフォームするケースがほとんど。
お風呂のインテリアは、お風呂だけでなく、隣接する脱衣室とのバランスを考えないと、後悔につながることも。
出典:パナソニック オフローラ
お風呂のドアは、日中開け放すことが多いため、脱衣室とお風呂のインテリアがあまりにかけ離れたテイストだと、チグハグな印象になりかねません。
洗面台の色と浴槽の色を合わせてみたり、お風呂の壁と脱衣室の壁を相性のよい色で選んでみたりして、バランスの良い空間になるようにしましょう。
お風呂リフォームの後悔ポイント②ユニットバス選び
お風呂リフォームの後悔ポイント、2つ目はユニットバス選び。
マンションではもちろん、戸建てでも最近はほとんどの人がユニットバスを選択するようになりました。
ユニットバスはベースとなる形状があり、そこから浴槽はこれ、壁パネルはこれ、換気扇はこれ、という感じで、部位別に選択をして組み上げていきます。
その選択肢の中に、お風呂リフォームの後悔ポイントになりがちな項目が3つ。
- 老いに備えなかった
- 断熱性能がイマイチ
- 防水性能が不安
1つずつ説明します。
老いに備えていないユニットバス
お風呂に限らず、リフォームをするときは「リフォームをする時点」のことだけでなく、「将来」のことも考えないと後悔につながります。
「今より15~20才年老いたとき」のことを考えるべきなのです。
出典:パナソニック オフローラ
中でも、お風呂は特に、将来のことを考なければならない場所。
- 脱衣室からお風呂に入る
- 洗い場で立ったり座ったりする
- 浴槽に入る
- 浴槽から立ち上がる
これらの行為が年を取った将来もできるように、必要な手摺などを用意しておきましょう。
後付けできる手摺もありますが、位置や選択肢に制限があるので、最低限のものはユニットバスを入れる時点でつけておいたほうが安心。
シャワーのスライドバーと握りバーが兼用できるものや、浴槽横の手摺などは、若いうちにあってもジャマになりません。
ユニットバスの断熱性能
ユニットバスの選択肢の中に、「床、壁、天井などに断熱材を入れるか入れないか」というものがあります。
出典:TOTO サザナ
この断熱材は費用を落とすためにケチると、めちゃくちゃ後悔するポイント。
これは、お風呂の不満点ワーストです!
お風呂をリフォームしたのに寒いなんて、本当に残念すぎるので注意しましょう。
残念なことに、見積金額を落としたいリフォーム会社は、こういった目立ちにくい項目のグレードを落として見積を作る傾向が。
安いグレードのユニットバスは、あまり断熱性能が高くないものが多い傾向が。
ユニットバスを選ぶ時には「どの程度の断熱材が入っているのか」をしっかり確認しましょう。
断熱のオプションはちょっと高いですが、高いだけの価値が絶対にあります。
ユニットバスの防水性能
ユニットバスには「水がもれにくい」という大きなメリットがあります。
ですが、その「もれにくさ」は、浴槽パンの有無によって左右されます。
出典:パナソニック オフローラ
マンション用のユニットバスには浴槽パンがついていることが多いですが、安いグレードのものだと標準では浴槽パンがついていない可能性も。
そして、戸建て用のユニットバスの場合、浴槽パンはオプションになることがほとんど。
戸建て1階のお風呂の場合は浴槽パンなしでもいいですが、戸建ての2階やマンションの場合、浴槽パンは絶対にあったほうが安心。
必ず浴槽パンの有無を確認しましょう。
ユニットバスのメーカー選びについては、別記事を書いています。
各ユニットバスメーカーの特徴を知りたい人は必見です。
お風呂リフォームの後悔ポイント③ユニットバスのサイズ
お風呂リフォームの後悔ポイント、3つ目はユニットバスのサイズ。
ユニットバスのサイズ選びは簡単そうに見えて、プロでも間違える難しいもの。
ユニットバスのサイズ選びを間違えてしまうと、基礎をはつる(削り取る)ことになるなど、建物の耐力を落としてしまうことも。
ユニットバスのサイズについては、別記事を書いているので、そちらも確認してみてください。
戸建て用とマンション用のユニットバスの選び方についても説明しています。
ユニットバスのサイズと選び方、サイズ変更についてプロが解説!
お風呂リフォームの後悔ポイント④お風呂の位置変更
お風呂リフォームの後悔ポイント、4つ目はお風呂の位置変更。
リフォームでお風呂の位置を今の位置から変更するときに、注意してほしいことは4つ。
- 音問題
- お風呂と脱衣室の段差
- 配管経路
- 換気経路
これらをしっかり考えてから、お風呂リフォームをしないと後悔につながります。
1つずつ、説明していきますね。
お風呂の音について
「お風呂の音」はトイレやキッチンと比べ、事前にあまり気にする人は多くありませんが、実はけっこう重要。
たとえば、早く寝る両親の部屋の近くにお風呂があった場合、遅く帰ってきた子供がお風呂に入るとその音で両親が起きてしまうというケース。
これ、実の子どもならまだ我慢できますが、2世帯同居などで義理の子どもに毎晩お風呂の音で起こされたりすると、不仲の原因になることも。
寝室の真上にお風呂がある場合も同様です。
防音をしっかりすることはもちろんですが、お風呂に入る時間に寝ている人がいる場合は、お風呂の位置からしっかり検討する必要があります。
戸建ての2階やマンションにお風呂を新しく配置する場合に注意すべきこと
戸建ての2階やマンションにお風呂を配置し、ユニットバスを設置する場合は、段差の検討が重要。
リフォーム前はお風呂ではない場所に新しくユニットバスを配置する場合、新しく設置するユニットバスの下部にどれだけの空間が作れるかを確認する必要があります。
十分な空間がない場合は、ユニットバスを他の部屋より高く設置し、段差をつけて対応します。
こんな後悔につながることもあるので、しっかりチェックしてくださいね。
このあたりはマンションのリフォームについての別記事にまとめていますので、そちらも確認してみてください。
お風呂の位置を変更するときに気をつけるべき「配管経路」
お風呂だけではありませんが、水廻り空間には、
- 給水
- 給湯
- 排水
が必要。
これらの配管を使い、水が流れていく経路をしっかり考える必要があります。
特に「排水」は重力だけで流れていくので、配管に必要な勾配がついていないと逆流することも。
こんな後悔の声も、たまに耳にすることがあります。
お風呂の位置変更は、配管経路をしっかり検討した上で行いましょう。
お風呂の位置を変更するときに気をつけるべき「換気経路」
水の流れ同様、外部からお風呂の換気扇までの空気の流れも検討が必要。
出典:パナソニック オフローラ
特に戸建ての2階やマンションの「天井埋込型の換気扇」は、ダクトが外部までうまく配管できる場所でないと取付けられません。
壁付けの換気扇を選択したり、お風呂の位置を検討しなおすなどの対応が必要な場合も。
こんな後悔をしないためにも、換気経路についてもリフォーム会社によく確認しておきましょう。
お風呂リフォームの後悔ポイント⑤電気容量
お風呂リフォームの後悔ポイント、5つ目は電気容量。
電気容量を考えたリフォームをしないと、このような後悔につながります。
お風呂で電源を必要とする機器は、以下など。
- 照明
- 浴室暖房乾燥換気扇
- ジェットバス
特に、浴室暖房乾燥換気扇やジェットバスは「専用回路」という分電盤の回路をまるまる1つ専用で使用する電源が必要。
選ぶ商品によっては、200Vの電源を必要とする場合も。
そのため、お風呂のリフォームをする場合、分電盤の回路が足りなくなり、新しい分電盤に交換することもしばしば。
せっかく分電盤を新しくするのなら、ギリギリの回路数のものではなく将来のリフォームに備えて多めの回路数の分電盤を選んでおくと安心。
分電盤を交換するついでに、よく落ちる回路があれば組み替えるなどして整理してもらいましょう。
お風呂リフォームの後悔ポイント⑥配管
お風呂リフォームの後悔ポイント、6つ目は配管。
出典:TOTOのお風呂
先ほどお風呂の位置を変更するときに気を付ける項目として「配管経路」をあげましたが、ここでは「管」そのものについてお話します。
給水管について
リフォーム前の給水管が、「ライニング鋼管」「VP管」の場合、お風呂のリフォームのタイミングで屋内給水管を交換することをおすすめ。
ライニング鋼管とは鉄の管の内部を樹脂でコーティングしたもので、20~30年程度使用していると内部のコーティングが薄くなったりなくなったりしてしまい、鉄部分がさびてしまいます。
また、VP管は樹脂でできた給水管ですが、こちらも長く使っているうちに樹脂が劣化し割れやすくなってしまいます。
せっかくお風呂を新しくしても、お風呂の下や、壁の間にある給水管が古いままだと、漏水の心配が残ることに。
お風呂を新しくしてしまってから給水管を交換しようとしても、完全に交換できなかったり、隣接する部屋の壁をこわしたりとあまり満足のいく工事はできません。
こんな後悔につながること必至。
給水管の交換で多少費用が追加になったとしても、お風呂のリフォームと一緒にやってしまったほうが絶対に安心。
リフォーム前の給水管が架橋ポリエチレン管やHIVPなどの場合は交換不要です。
リフォーム会社によく確認してもらいましょう。
給湯管について
リフォーム前の給湯管が「銅管」の場合、お風呂のリフォームのタイミングで給湯管を交換することをおすすめ。
銅管は古くなってくるとピンホールといわれる小さな穴が開きやすく、そこから漏水しやすくなります。
給水管同様、リフォーム会社によく確認をしてもらいましょう。
お風呂リフォーム後悔ポイント⑦窓
お風呂リフォームの後悔ポイント、7つ目は窓。
窓を交換しなかったり、選び方を間違えると、このような後悔につながりかねません。
筆者は、お風呂のリフォームをする時には、「窓」も一緒に交換することをおすすめしています。
その理由やお風呂の窓選びについては、別記事にくわしく書いていますので、確認してみてください。
お風呂リフォームの必勝法
お風呂リフォームの後悔ポイントをたくさんお伝えしてきました。
お風呂のリフォームを成功させるためには、これらの後悔ポイントに注意することはもちろんですが、「失敗しないための方法」を知っておくことも重要。
リフォーム成功に必要なたった1つのこと|すべての失敗はコレが原因
リフォームのウラもオモテも知り尽くした筆者が、あなたにリフォームの必勝法を教えます。
お風呂リフォームの後悔ポイント|まとめ
お風呂リフォームの後悔ポイントについてお話してきました。
どの項目も事前に検討できていないと、満足なお風呂リフォームができない項目ばかり。
リフォーム会社任せにすると、よい担当者の場合はいいですが、気の利かない担当者の場合、提案やアドバイスをしてもらえず、
このような後悔につながることも。
記事の内容をしっかり確認し、後悔のないお風呂のリフォームをしてくださいね。
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