キッチンの吊戸棚について、リフォーム設計のプロである筆者が解説。
キッチンの吊戸棚は収納力があるものの、その使いにくさから、あまり有効に活用されていないことがほとんど。
めったに使わないものだけを入れるくらいなら、いっそ吊戸はないほうがスッキリしますよ!
この記事では、まずは本当に吊戸棚が必要かどうかを見極め、必要な場合は
- 使い勝手がよく
- 有効に使える
おすすめの吊戸棚を紹介していきます。
キッチンの使い勝手を飛躍的にアップさせるためにも、ぜひ最後まで読んでくださいね。
これからリフォームをするすべての人に読んでもらいたい記事はこちら。
リフォーム会社を決める前に絶対読んでおいてほしい記事はこちら。
10万円以上のリフォームをする人が、必ず知っておくべき内容をまとめた記事はこちら。
キッチンメーカーのおすすめを知りたい人は、こちらもどうぞ。
キッチンのまとめ記事をチェックしたい人は、こちら。
マンションのリフォームを考えている人は、こちら。
吊戸棚のあるなしを画像で比較
吊戸棚のあるキッチンと、ないキッチンを画像で比較してみましょう。
まずは壁付キッチンから。
- 壁付キッチン吊戸棚あり
出典:トクラス キッチン
よくあるキッチンの形状です。
- 壁付キッチン吊戸棚なし
出典:キッチンハウス
ちょっとわかりにくいですが、シンクの前に大きな窓があります。
吊戸棚をなしにすると、キッチンの前に背の高い窓をつけることができるので、解放感がバツグン。
次は対面キッチンを見ていきましょう。
- 対面キッチン吊戸棚あり
出典:パナソニック ラクシーナ
せっかく対面キッチンなのに、どこか圧迫感があります。
- 対面キッチン吊戸棚なし
出典:TOTO ザ・クラッソ
解放感すごい!
そんな人には、手元を少し隠すこんなプランがおすすめ。
出典:トクラス キッチン
吊戸棚のあるなしを比べると、やっぱり吊戸棚はないほうがスッキリします。
吊戸棚の価格はどれくらい?
次は吊戸棚の価格について考えていきましょう。
キッチンセット一式いくらで見てしまうため、吊戸棚にいくらかかっているかについてはあまり気にしない人が多いのではないでしょうか。
吊戸棚が必要か必要でないかを判断するためにも、価格の把握は重要なポイント。
- スタンダードクラスのキッチンブランド
- 壁付けI型2550で換気フード分900㎜を除いた1650㎜を吊戸とする(フード横の吊戸は不燃のものとする)
- 扉材グレード:中くらい
- 高さは一般的に使われる700㎜
という条件で定価を調べてみると、
99,800円(税抜)
お値引き40%とすると、
59,880円(税抜)
これは材料費なので、プラスで施工費もかかります。
ちょっとした収納家具が買えそうな価格ではありませんか?
吊戸棚がないとスッキリすることも、思いのほか金額が高めなのもわかったけれど、やっぱり「吊戸棚がないと収納量が足りなそうで不安」という人も少なからずいますよね。
そこで、次は今現在「吊戸に入っているもの」は何かをチェックしてみましょう。
吊戸棚の中に入っているものをチェック
吊戸棚の中によく入っているものをあげてみます。
- 年に1回くらい使う季節もの
- お正月に使うお重箱
- かき氷器
- 捨てるのがもったいなくて取ってあるもの
- タッパーなどの保存容器
- 空き瓶
- 買い置きのもの
- ラップ
- キッチンペーパー
これらのものは、「吊戸棚に入っていないと困る」というわけではなく、どちらかというと「頻繁に使うものではないから、吊戸棚に入れておいてもいいか」という理由で吊戸棚に入っているのではないでしょうか。
キッチン前の「解放感」を犠牲にしてまでも、取りつける吊戸棚。
「使いにくいからめったに使わないものを入れておこう」なんて使いかたはもったいないです!
次は、吊戸棚がどうして使いにくいのかを見ていきましょう。
よく使われている吊戸棚の高さを確認
まずは吊戸棚の高さを確認してみましょう。
出典:LIXIL キッチン
よく使われる吊戸棚の高さが70センチ。
出典:LIXIL キッチン
身長にもよりますが、下の段は使えるけれど上の段は踏み台などを使わないと厳しい高さ。
窓を大きくしたい場合などに使う50センチの吊戸棚は、下の段すらも身長によっては厳しい高さです。
出典:LIXIL キッチン
と、思いすよね。
90センチの吊戸棚がキッチン前面にあると、とんでもない圧迫感が出ます。
ですので、90センチの吊戸棚は、使うにしても、人が長く立たない位置に部分的に使ったり、背面収納側に使うことがほとんど。
それでは、いったいどうしたら、吊戸棚は使いやすくなるのでしょうか。
キッチンの吊戸棚はアイレベルゾーンを使おう
出典:LIXIL キッチン
アイレベルとは、画像にあるように「パッと手が届く目の高さ」をいいます。
アイレベルの収納なら、吊戸棚の弱点である「高くて使いにくい」ということはなさそうです。
でも、目の高さにあるということで、先ほどの90センチ高さの吊戸同様、「ジャマになるのでは?」という心配が浮上してきますよね。
でも大丈夫!
ジャマにならないための工夫がされている商品がたくさん出ています。
- 必要な時だけ棚が降ろせるダウンウォールタイプ
- 普通の吊戸棚より奥行を薄くしたり、形状を工夫してジャマになりにくくした吊戸
- 窓の前につけられるので解放感がある吊戸
などなど。
ここからは、実際にキッチンの使い勝手が飛躍的にアップする吊戸棚を紹介していきますね。
必要な時だけ棚が降ろせるダウンウォールタイプ
まずは、ダウンウォールタイプのおすすめ吊戸棚から。
電動昇降乾燥機
電動昇降乾燥機
ボタンを押すだけで上げ下げできる「電動昇降乾燥機」です。
シンクの上に設置して洗ったものを入れていけば、そのまま乾燥機能でカラッと乾かせます。
カウンターに水切りカゴを置く必要がなくなりますので、キッチンの上が広々と使えるようになりますよ。
ふきんやまな板も収納、乾燥できますので、清潔が保てるうえに置き場所にも困らない!
電動昇降水切り
電動昇降水切り
こちらも電動で上げ下げしてくれるタイプの吊戸棚ですが、こちらには乾燥機能はついてなく水切り機能だけの商品です。
食器洗い乾燥機をキッチンセットのほうに組込んだかたにおすすめです。
食器洗い乾燥機に入れるほどではないコップやボウルなどの洗い物を、さっと洗って入れるという使いかたがおすすめです。
電動昇降収納タイプ
オートダウンウォール・収納タイプ
今度は電動で上げ下げしてくれるタイプの収納棚です。
ついついキッチンカウンターの上に並べてしまう調味料やキッチンペーパーなどが、スッキリ収納できますよ。
ここで注意があります
ダウンウォールには手動のものもあり、ショールームなどで触ってみると案外軽く動くので「手動でもいいんじゃないか」と思われるかたも多いかと思います。
でも、実際に色々なものを収納してから上げ下げしてみると、けっこう重いんですよ。
その重いものを上げ下げするのが苦痛になり、せっかくつけたダウンウォールをほとんど使っていないお施主様が実はたくさんいます。
使いやすい吊戸棚として有効に活用するためにも、手動ではなく電動のダウンウォールを私は強くおすすめします。
普通の吊戸棚より奥行を薄くしたり、形状を工夫してジャマになりにくくした吊戸
次は、形状を工夫して、ジャマになりにくくした吊戸棚。
アイキャッチウォール
アイキャッチウォール
奥行240㎜の薄型アイレベル収納です。
引き戸なので開けっぱなしにしても扉がジャマになるということがありません。
収納部と水切り部があるので、
- 収納部には調味料やキッチンペーパーなどを
- 水切り部にはシンクで洗ったものを
収納できますね。
電動タイプと同様、カウンターの上に水切りカゴを置いたり、調味料を置いたりする必要がなくなり、スッキリとキッチンを使えそうです。
ドレスアップウォール
ドレスアップウォール
吊戸棚の形が台形で、下に行くほど奥行が狭くなりジャマになりにくい形状。
こちらも収納タイプと水切りタイプがあるので、お好みで選んでくださいね。
フラップアップ式の扉なので、開けっぱなしでもジャマになりません。
アイレベルボックス
アイレベルボックス
吊戸棚ではありませんが、吊戸棚の下につけて、ちょっとした調味料やキッチンペーパーがしまえるボックスです。
開けた扉の部分は、仮置き棚としても使える優れもの!
仮置き棚
クイックパレット・シングルタイプ
ボウルに入れた食材や、調理道具を仮置きするための仮置き棚です。
キッチンカウンターの上に調理道具がいっぱいで、盛り付けの時などにお皿を並べる場所がないということはありませんか。
そんなときに便利なのがこの仮置きできる「クイックパレット」
使わない時には、スッと吊戸棚の下にしまえます。
窓の前につけられるので解放感がある吊戸棚
次は、窓の前につけられる吊戸棚。
吊戸棚を介して、窓からの明かりが入ってきます。
窓用アイキャッチウォール
窓用アイキャッチウォール
先ほどのアイキャッチウォールと機能は同じですが、こちらは窓の前につけることができます。
ただし、窓用アイキャッチウォールをつけられる窓の位置には制限がありますので、リフォーム会社にしっかり確認してもらってから取付けましょう。
窓用ドレスアップウォール
窓用ドレスアップウォール
先ほどのドレスアップウォールと機能は同じで、窓の前につけることができる商品です。
窓用アイキャッチウォール同様、窓の位置、大きさに制限があるので注意しましょう。
キッチンリフォームの必勝法
キッチンリフォームは、たとえ、キッチンセットを交換するだけでも、たくさんの商品や施工方法の中から、あなたの家に合うものを探さなければなりません。
そして、キッチンは毎日のように使う場所。
満足なリフォームをして、快適に過ごしたいですよね。
これまでに、リフォームに失敗してしまった人を何人も見てきた筆者が、1人でも多くの人がリフォームを成功させることができるようにと、以下の記事を書きました。
リフォーム成功に必要なたった1つのこと|すべての失敗はコレが原因
リフォームのオモテもウラも知り尽くした筆者が、リフォームの必勝法を、あなたに伝授します!
キッチンの吊戸棚について|まとめ
吊戸棚とひとことで言ってもよく見る普通の吊戸棚だけでなく、色々な形状・機能を持った商品がたくさんあることをお分かりいただけたかと思います。
取付ける高さの問題で吊戸棚が使いにくいのなら、使いやすい高さに取り付けられる吊戸棚を見付ければいいですよね。
せっかく吊戸棚をつけるのなら、「めったに使わないものを入れておく」ための収納としてではなく、キッチンを毎日便利に使えるための収納にしましょう!
素適なキッチンになりますように!
リフォーム成功に必要なたった1つのこと|すべての失敗はコレが原因
リフォームはどこに頼む?プロが1mmもおすすめしない依頼先は?
【10万円以上のリフォームをする人】絶対知っておくべき5つのこと|プロが解説
リフォームに失敗する人が多すぎるので書いた渾身の記事
リフォーム成功に必要なたった1つのこと|すべての失敗はコレが原因
リフォーム会社比較サイトを「プロの目」で見てランキングにした記事
リフォーム比較サイトランキング|プロおすすめは2サイトだけ!
ほぼ失敗するよね」ということを包み隠さずお話したすごい記事
「ここに頼んだらリフォームはリフォームはどこに頼む?プロが1mmもおすすめしない依頼先は?