赤ちゃん部屋のレイアウト実例と、赤ちゃんが過ごすリビング空間の造り方について、リフォーム設計のプロが解説します。
リビングに赤ちゃん部屋をレイアウトする場合、注意するポイントは3つ。
- 親の目が行き届く
- 快適
- 危険物に手が届かない
どれも当たり前のように思えますが、適切に赤ちゃん部屋がリビングにレイアウトできていない人を筆者はわりと頻繁に目にしています。
リビングには危険物がいっぱい。
普段、何気なく使っているものが、赤ちゃんの健康や安全を脅かす凶器になってしまうことも。
そういったリビングの危険物から赤ちゃんを守るための「赤ちゃん部屋」。
リビングに適切にレイアウトして、赤ちゃんと安全に過ごしましょう。
この記事では、赤ちゃん部屋のレイアウトについて、以下の内容で解説していきます。
- 赤ちゃん部屋をリビングにレイアウトした実例×5つを紹介
- 赤ちゃん部屋をリビングにレイアウトする際のポイント
- リビングにある危険物と回避方法
ぜひ、最後まで読んで、最強の赤ちゃん部屋を造ってくださいね。
赤ちゃんや子ども関連の別記事も、あわせてどうぞ。
赤ちゃん部屋をリビングにレイアウトした実例5つ
赤ちゃん部屋をリビングにレイアウトした実例を、5つ紹介します。
赤ちゃん部屋をリビングにレイアウトした実例①
赤ちゃん部屋をリビングにレイアウトした実例、1つ目はキッチンの目の前にベビーサークルをレイアウト。
- キッチンに立ちながらでも
- ソファでくつろぎながらでも
赤ちゃん部屋を見守ることができるレイアウトです。
TVとソファの間のスペースを利用して、赤ちゃん部屋をレイアウトしています。
赤ちゃん部屋をリビングにレイアウトした実例②
赤ちゃん部屋をリビングにレイアウトした実例、2つ目は窓際の明るいエリアにベビーサークルをレイアウト。
リビングに赤ちゃん部屋をレイアウトする場合、最も多く採用される場所がこの窓際です。
明るく、お日さまに当たることができるので、人気があります。
赤ちゃん部屋をリビングにレイアウトした実例③
赤ちゃん部屋をリビングにレイアウトした実例、3つ目はリビングの一角を小上がりにしたレイアウト。
日中だけでなく、夜もここで親と一緒に眠れるくらい広々としたスペースを、リビングに設けています。
畳敷きにしているので、そのまま布団を敷いて寝ることが可能。
この画像のように小上がりをしっかり造りこまなくても、置き畳や既製品の畳コーナーを使えば、より簡単にこのようなレイアウトができますよ。
将来的に撤去を予定している人は、あわせて検討してみてくださいね。
畳コーナーについては、別記事でくわしく説明しています。
リビングの畳コーナー|後悔しない造りかたを建築士が教えます!
赤ちゃん部屋をリビングにレイアウトした実例④
赤ちゃん部屋をリビングにレイアウトした実例、4つ目はソファをベビーサークル内に取り込んだレイアウト。
ソファも含めて赤ちゃん部屋となるので、リビングに赤ちゃん部屋のスペースがあまり広くとれないときなどに、採用したいレイアウトです。
ただ、
- ソファに上って転落したり
- ソファに置いたクッションで窒息したり
このような危険があるので、注意が必要です。
赤ちゃん部屋をリビングにレイアウトした実例⑤
赤ちゃん部屋をリビングにレイアウトした実例、5つ目はリビングの大半をベビーサークル内に取り込んだレイアウト。
大人も一緒に中に入って過ごせます。
「いっそのこと、リビングを全部赤ちゃん仕様にしてしまう」という発想。
赤ちゃんも大人も快適そうですね。
赤ちゃん部屋をリビングにレイアウトする際のポイント
次は、赤ちゃん部屋をリビングにレイアウトする際のポイントについて、お話していきます。
ポイントは先にお話した3つ。
- 親の目が行き届く
- 快適
- 危険物に手が届かない
1つずつ説明していきます。
赤ちゃん部屋をリビングにレイアウトする際のポイント①親の目が行き届く
赤ちゃん部屋をリビングにレイアウトする際のポイント、1つ目は親の目が行き届くこと。
赤ちゃんはちょっとした瞬間に、思いがけないことをしたり、体調を崩したりします。
「365日24時間ずっと目を離さない」というのは無理ですが、できるだけ目を離す時間は少なくしたいもの。
キッチンで調理する時、ダイニングテーブルで食事をする時なども、しっかりと目が届く位置に赤ちゃん部屋をレイアウトしましょう。
赤ちゃん部屋は、
- 日中はリビング
- 夜は親が眠る場所
この両方にレイアウトし、赤ちゃんと親がいつも一緒の空間にいられるようにしましょう。
赤ちゃん部屋をリビングにレイアウトする際のポイント②快適
赤ちゃん部屋をリビングにレイアウトする際のポイント、2つ目は快適であること。
リビングには赤ちゃんにとって快適でない場所があります。
それは、以下3つの場所。
- 暑さ寒さをダイレクトに伝える窓際や、直射日光が当たる場所
- エアコンの風が直撃する場所
- TVのそば
1つずつ説明します。
赤ちゃんにとって快適でない場所①暑さ寒さをダイレクトに伝える窓際や、直射日光が当たる場所
赤ちゃんにとって快適でない場所、1つ目は暑さ寒さをダイレクトに伝える窓際や、直射日光が当たる場所。
先のレイアウト実例にもありましたが、赤ちゃん部屋をリビングにレイアウトする場合に最も多いのが、窓際の明るい位置。
お日さまにあたれるし、明るいので人気があります。
ただ、「窓」は家の中で最も暑い寒いを感じやすい場所。
そして、直射日光があたる場所も、赤ちゃんには厳しい環境になります。
窓や窓ガラスの性能によっては、夏の暑さや冬の寒さを、ダイレクトに室内へ伝えてしまうし、紫外線は目や体に悪影響が。
- 窓の性能を上げる
- 窓から少し離した位置に、赤ちゃん部屋をレイアウトする
このような対策が必要です。
窓の性能を上げる方法については、簡単なものから、しっかりと工事をするものまでを、別記事で紹介しています。
あわせて読んでみてくださいね。
窓の寒さ対策!賃貸OK、1000円台のプチプラ~工事を伴う本格的な対策まで
暑さ対策で室内を涼しく!手軽~本格的なものまで10選|おすすめ商品も
内窓でよくある後悔3つ!多くの施主が悔やむポイントをプロが教えます
赤ちゃんにとって快適でない場所②エアコンの風が直撃する場所
赤ちゃんにとって快適でない場所、2つ目はエアコンの風が直撃する場所。
エアコンの風は、暖房でも冷房でも、直撃すると体温が急激に変化し、体調を崩す原因になります。
また、風にあたることで、体内の水分が奪われることも。
エアコンは風向きを調節するなどして、赤ちゃんに直撃させないようにしましょう。
赤ちゃんにとって快適でない場所③TVのそば
赤ちゃんにとって快適でない場所、3つ目はTVのそば。
インスタやルームクリップ、ツイッターなどで、よく見かけるのが、赤ちゃんがTVをめちゃくちゃ近い位置で観ている画像。
リビングの広さには限りがあるので、どうしても赤ちゃん部屋はTVの近くにレイアウトしてしまいがち。
でも、さすがにTV前数センチの位置から、赤ちゃんがTVを観るのは、おすすめできません。
目が悪くなってしまいますよ。
TVの前は、少なくとも1mは空けましょう。
赤ちゃん部屋をリビングにレイアウトする際のポイント③危険物に手が届かない
赤ちゃん部屋をリビングにレイアウトする際のポイント、3つ目は危険物に手が届かないこと。
リビングには危険物がたくさんあります。
刃物や家具の角などわかりやすいものだけでなく、誤飲の恐れのある小さいものや、手をはさむ恐れのあるドアなども、赤ちゃんにはとても危険。
そういった危険物と赤ちゃんを切り放すためには、ベビーサークルやゲートが絶対に必要です。
先に紹介した実例も、ベビーサークルやゲートを使用したものばかりを選んでいます。
ベビーサークルには、
- 木製のもの
- 樹脂(プラスチック)製のもの
- メッシュ素材のもの
など、色々なものがあります。
基本的には、ベビーサークルやゲートは常設とし、掃除や模様替えの時のみ、移動させたり畳んだりするのが現実的。
ですので、ベビーサークルは移動しやすさやしまいやすさを考えて軽量で小さなものにするよりは、居心地がよくがっちりしたものをおすすめします。
おすすめのベビーサークルを2種類紹介します。
どちらも、筆者がリフォームで設計を担当するお施主様の間で、人気の商品です。
リビングにある危険物と回避方法
次は、リビングにある危険物について、もう少し詳しくお話していきます。
リビングにある見落としがちな危険物は、以下の6つ。
- TVや空気清浄機、本棚などの家具家電
- 誤飲の恐れのある小さいもの
- 床 硬いのとばい菌
- ドア
- ブラインドなどの操作ひも
1つずつ簡単に説明していきます。
リビングにある危険物①TVや空気清浄機、本棚などの家具家電
リビングにある危険物、1つ目はTVや空気清浄機、本棚などの家具家電。
赤ちゃんが家具や家電の角に頭をぶつけたり、もたれかかって倒れてきたりする危険があります。
また、ヒーターなどの熱がでる家電は、赤ちゃんが触ってやけどをしてしまうことも。
家具や家電はベビーサークルの外に置き、赤ちゃん部屋の中には入れないようにしましょう。
リビングにある危険物②誤飲の恐れがある小さいもの
リビングにある危険物、2つ目は誤飲の恐れがある小さいもの。
赤ちゃんはなんでも口に入れてしまいます。
特に小さいものは、うっかり飲み込んでしまうと大変なことになるので、赤ちゃん部屋の中には置かないようにしましょう。
よく見落とすのが、電池。
ふたを開けて、ボタン電池を取り出して飲み込んでしまう事故は、1歳児を筆頭に年間数百件起きています。
ボタン電池を飲み込むと内臓に穴が開くなど、かなり危険な状態になることも。
電池そのものだけでなく、電池が入ったもの(キッチンタイマーや時計など)も、赤ちゃん部屋には置かないようにしましょう。
リビングにある危険物③床
リビングにある危険物、3つ目は床。
と、思う人もいると思いますが、床は以下2つの意味で危険です。
- 硬い
- 汚い
1つずつ、対応策を含めて説明していきますね。
赤ちゃんに危険な硬い床
リビングにある危険物、床。
フローリングなどの硬い床は、赤ちゃんが転んで頭を打つと、ケガをしてしまう恐れがあります。
頭が重くて転びやすい赤ちゃんには、フローリングなどの硬い床は凶器になるのです。
リビングのベビーサークルに囲われた赤ちゃん部屋の床には、クッション性のあるやわらかい素材のラグを敷きましょう。
おすすめは2つ。
- ホリデープラスを敷き詰める
- ラグの下敷き「ふかぴた」+安心素材のラグ
1つ目のおすすめ、ホリデープラスは厚さ20ミリの低反発&はっ水加工がしてあるラグ。
ふわっふわな踏み心地なので、赤ちゃんが転んでも安心です。
ホリデープラス
※「サイズ」ごとに商品ページが分かれています。
色は各サイズのページで選択できます。
ホリデープラスリブ
- 長方形130×190 約1.5畳
- 正方形190×190 約2畳
- 長方形190×240 約3畳
※「色」ごとに商品ページが分かれています。
上記サイズは各色のページで選択できます。
ホリデープラスについて、品ぞろえや選び方を別記事でくわしく説明しています。
【ホリデープラス】の種類と選び方!色・サイズ・価格を徹底解説
2つ目のおすすめ、ラグの下敷き「ふかぴた」は、ラグの下に敷いて、クッション性を高めたり、すべりにくくしれくれる優れもの。
ふかぴたの上に敷くラグは、薄手のものでいいので、洗濯がしやすいのも魅力です。
ふかぴたSTANDARD
ふかぴたSTANDARD Sサイズ115×170cm 約1.5畳
ふかぴたSTANDARD Mサイズ170×170cm 約2畳
ふかぴたPLUS[厚手]
ふかぴたPLUS[厚手] Sサイズ115×170cm 約1.5畳
ふかぴたPLUS[厚手] Mサイズ170×170cm 約2畳
ふかぴたには種類がたくさんあって選びにくいので、別記事でくわしく説明しています。
あわせてどうぞ。
【ふかぴた】種類とサイズ&選び方|もう迷わないでOK!一覧表も
赤ちゃん用のラグで、おすすめのものを紹介した記事もあわせてどうぞ。
ちなみに、赤ちゃん部屋によく使われている「ジョイントマット」は、ジョイント部分からほこりや汚れがマット下にたまりやすく不衛生になりがちなので、筆者はおすすめしていません。
ジョイントマットをはがした時の汚れを見たことがある人なら、筆者がなぜおすすめしないかをわかってくれると思います。
ぜひ、お手入れが簡単なラグを使いましょう!
赤ちゃんに危険な汚い床
リビングの床が危険なのは、硬いからだけではありません。
汚れた床は、床に近い位置で生活する赤ちゃんには危険です。
掃除したばかりのフローリングの床に、ほこりがすぐにたまるのは誰もが経験していると思います。
目に見えるほこりや汚ればかりではなく、床には細菌も。
赤ちゃんは素手で床を触り、その手を口に入れます。
床は常にきれいな状態にしておきましょう。
日々の掃除にプラスして、スチームクリーナーでの床掃除がおすすめです。
スチームクリーナーで床掃除をした後に、そのパッドを見てみると、「こんなに汚れていたのか!」とびっくりしますよ。
出典:スチームファーストDX
おすすめのスチームクリーナーについての記事はこちら。
リビングにある危険物④ドア
リビングにある危険物、4つ目はドア。
ドアから赤ちゃんが勝手に出て行ってしまうのも危険ですが、何より危険なのは、ドアに赤ちゃんの指が挟まってしまうこと。
ドアに指をはさんでしまい、指を切断してしまう子供が年間に100人程度います。
そのグッズは、おそらくこんなものでしょう。
でも、ドアに指を挟む危険性が高いのは、ハンドル側ではなく「蝶番側」。
蝶番側に指を挟むと、てこの原理が働き、とんでもない力で指を破壊します。
赤ちゃん、子供、高齢者が住む家には、ドアの指挟み対策が絶対に必要だと筆者は考えています。
おすすめの商品はこちら。
公式ストアでの購入が、特典もりだくさんでお得!
ドアの指挟み防止については、別記事でくわしく説明しています。あわせて確認してみてくださいね。
リビングにある危険物⑤窓
リビングにある危険物、5つ目は窓。
窓はドア同様に、赤ちゃんが勝手に外に出てしまう恐れがあります。
大人が窓を出入りする際、赤ちゃんに気づかずに窓を閉め、赤ちゃんの手が挟まってしまう可能性も。
さらに、窓は「ガラス」を使用しているので、おもちゃなどで強くガラスをたたいてしまって割れてしまうことも考えられます。
先にお話した通り、窓は外の暑さ寒さを室内に伝えやすい場所でもあるため、赤ちゃん部屋は少しでも窓から離すことを筆者はおすすめしています。
赤ちゃんが直接窓に触れてしまうのは、やっぱり少し不安です。
リビングにある危険物⑥ブラインドなどの操作ひも
リビングにある危険物、6つ目はブラインドなどの操作ひも。
- 赤ちゃんがひもをいじっているうちに、身体に絡まってしまった
- 首にひもが絡まり、窒息してしまった
このような悲しい事故が起きています。
対策としては、以下3つ。
- 常に、赤ちゃんや子供の手が届かないところに、ひもを束ねておく
- ひもを上部にとめるコードクリップを使う
- ブラインドやロールスクリーンなどを、赤ちゃんや子どもが入る部屋には使わない
コードクリップは各メーカーから無償配布されています。
ブラインドなどのヒモによる事故は、赤ちゃんだけでなく、子どもにも起きているので、十分に大きくなるまではしっかり対策しましょう。
赤ちゃん部屋のレイアウト【リビング】まとめ
赤ちゃん部屋のレイアウト、リビングで赤ちゃんが過ごす空間の造り方について、お話してきました。
ポイントは3つ。
- 親の目が行き届く
- 快適
- 危険物に手が届かない
リビングには、赤ちゃんの健康や安全を脅かす危険物がたくさんあります。
リビングの適切な位置に赤ちゃん部屋をレイアウトし、危険物から赤ちゃんを守りましょう。
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