窓の失敗例で、誰でもやってしまいがちなものを10個紹介!
筆者はリフォーム設計を職業にしていますので、15~30年ほど経過した家によくおじゃまします。
その際、
このよこのような話を聴く機会が頻繁にあります。
今回はそれらの失敗例の中から、「窓」に関するよくある失敗をピックアップ。
窓は家の快適さを左右する重要なアイテム。
ですので、窓を失敗してしまうとダメージが大きいですよ。
- これから新築する人も
- 窓のリフォームをしようという人も
このような後悔をしないために、窓の失敗例を事前にしっかりチェックしておきましょう。
これからリフォームをするすべての人に、読んでほしい記事はこちら。
リフォーム会社を決める前に絶対読んでおいてほしい記事はこちら。
10万円以上のリフォームをする人が、必ず知っておくべき内容をまとめた記事はこちら。
窓のリフォームは、リフォーム会社選びが重要。
窓についての別記事はこちら。
窓の失敗が引き起こす不満
窓の失敗による家の不満は、暑い、寒いだけでなく、
- 結露でジメジメする
- 視線が気になって居心地が悪い
など、さまざま。
リフォームの設計をしていると、「明るく窓の多い家にしたい」という要望をよく耳にしますが、
明るい≠窓が多い
ということに注意が必要です。
/
窓が多くても、
薄暗い家は
いくらでもありますよ!
\
光や風の入らない位置に窓をつけても、寒いだけでカビや結露の原因になることも。
そして一番多い失敗例はコレ。
↓ ↓ ↓
「窓を多くつけすぎた」
いけなくはないですが、窓が多すぎるのは失敗の元。
- 室内に入る熱のうち70%以上
- 室内から逃げていく熱のうち50%以上
が「窓」などの開口部から出入りします。
出典:YKKap 窓・サッシ
必要以上に窓をつけることで、暑くて寒い家を作り出していませんか?
特に南向きの部屋を窓だらけにすると、サンルームみたいな環境に。
ここで重要なポイント。
窓が多い家≠快適な家
窓が多いからといって、必ずしも快適になるとは限りません。
効果的な位置に、適切な大きさでつけることが大切。
それを理解した上で窓の計画を進めると、失敗しにくいはず!
それでは、窓の失敗例を見ていきましょう。
窓の失敗①窓の性能にこだわらず、適当なものを選んでしまった
窓の失敗、1つ目は窓の性能にこだわらず、適当なものを選んでしまった例。
窓をつけてしまってから、
- 夏に窓から暑さが入ってきて、家の中が暑くてたまらない
- 冬には窓から寒さが入ってきて、家の中が寒くて凍えそう
- 結露もすごい
このような問題が起き、
このような後悔をする人がたくさんいます。
窓の種類は結構たくさんあるのですが、そこにこだわるお施主様は、意外と少ないのが現状。
窓の位置や形状にはものすごくこだわるのに、なぜ性能にこだわらないのか。
おそらく、こんなふうに考えているから。
でも、全然違いますよ!
性能のいい窓は、室内側が樹脂でできているのに対し、安価な窓だと室内側の一部しか樹脂になっていません。
出典:YKKap エピソード
この画像は、室内側が樹脂でできた高性能な窓の例。
こういった高性能な窓ではないものを選んでしまうと、アルミの部分に結露したりすることも
出典:YKKap エピソード
また、窓はフレームの性能だけでなく、窓ガラスも重要。
窓ガラスはフレーム以上に種類がたくさんあり、
種類によって、断熱性能や遮熱性能が大きく異なります。
特に遮熱性能のついていないガラスが多いため、夏の暑さが気になる場合は、必ず遮熱機能付のガラスを選びましょう。
新築でもリフォームでも、筆者はできるだけ性能のいい窓を選ぶことをおすすめしています。
窓の工事は窓自体の金額より施工費のほうが高くつくため、グレードのいい窓を採用しても、思ったより金額は上がりにくいのがおすすめする理由。
そして、金額はさほど変わらないのに、室内の快適さを大きく左右します。
後になってから窓を交換するのはけっこう大変。
後悔しない性能の窓を選びましょう。
窓の失敗②一部の窓だけをリフォームしたら、快適さが感じられなかった
窓の失敗、2つ目は一部の窓だけをリフォームしたら、快適さが感じられなかった例。
これはリフォームで多い例です。
同じ空間の中で
- 「リフォームで性能を上げる窓」
- 「リフォームしない窓」
が混在する場合、「性能を上げていない窓」から寒さや暑さが入り込み、空間の快適さが感じにくくなります。
このような場合は、上のケースが結構多いので注意しましょう。
同じ部屋の窓だけでなく、
「ダイニングにつながるキッチンの窓はリフォームしないで、ダイニングの窓を性能が高い窓にリフォームした」
このような場合も、キッチンから寒さ暑さがダイニングに伝わっていくので、同様に効果が感じにくくなります。
快適にしたい空間の窓は、すべての窓の性能を上げましょう。
窓の失敗③窓の性能「だけ」をよくしたけれど、効果が感じられない
窓の失敗、3つ目は窓の性能だけをよくしたけれど、効果が感じられないという例。
家の断熱性能や遮熱性能は「窓」に大きく左右されることをお話しましたが、窓が100%ではありません。
- 冬の断熱性能を上げようと性能のいい窓を入れたけど、床下や壁の断熱が十分でなく家が寒い
- 夏の遮熱性能を上げようと性能のいい窓を入れたけど、屋根や小屋裏の遮熱が十分でなく暑い
このようなケースがよくあります。
- 床断熱材
- 小屋裏断熱材
出典:アイシネン LDフォーム
このような断熱材を使って、窓以外の床下や小屋裏、壁の断熱もあわせて断熱性能を上げましょう。
屋根の断熱や遮熱については別記事でくわしく説明しています。
屋根の断熱や遮熱で室内の暑さがやわらぐ!おすすめの断熱材と塗料も
窓の失敗④窓に手が届かない
窓の失敗、4つ目は窓に手が届かない例。
この不満は「何度聞いたことか」と思うくらい、本当によく耳にする窓の失敗例です。
特にキッチンセット前の出窓に多いのですが、手が届かない位置に窓を設けると開け閉めが大変。
図面だけだとなかなか判断がしにくいですが、
- 出窓
- 高い位置にある窓
この2つは特に注意して窓の位置を検討しましょう。
窓の失敗⑤窓が多すぎて暑さ寒さが厳しい
窓の失敗、5つ目は窓が多すぎて暑さ寒さが厳しいという例。
先にも書きましたが、「窓が多く明るい家にしたい!」という要望がとても多いため、窓が多すぎて失敗している家もよくあります。
重要なのは、以下。
- 西面に窓をたくさんつければ、西日がたっぷり入ってきて暑くなります
- 北面に窓をたくさんつければ、陽は全然入ってこないのに寒さだけが入ってきます
どんなに性能のいい窓をつけても、窓は暑さや寒さによる熱の出入りが壁より大きいので、窓の設け過ぎは室内の快適さを損ねることに。
- 光を取り込む効果の高い位置
- 風通しに必要な位置
これらを厳選して、窓の位置を決めましょう。
窓の失敗⑥窓が多くて家具やテレビを置く場所がなくなった
窓の失敗、6つ目は窓が多くて家具やテレビを置く場所がなくなってしまった例。
これも窓が多すぎるという失敗の1つ。
窓が多すぎると、家具やテレビを置く場所がなくなります。
結果、
/
収納が少ない
\
このような残念なことにつながることも。
その部屋に置くべき家具、収納量を考えながら窓の位置や数を検討しましょう。
窓の失敗⑦トップライトが暑い
窓の失敗、7つ目はトップライトが暑い!という例。
トップライトは壁面の窓の「3倍」の太陽光線が入ると言われています。
出典:ベルックス 天窓
この超明るいトップライトを、南面につけたら夏にどうなるか?
/
もう、
とんでもない
暑さです!!
\
トップライトをつけるなら、「南面」「西面」は避けることをおすすめします。
それと、トップライトについてもう一つ。
お施主様にはトップライトにあこがれる人が多いのですが、設計の立場から見ると、実はあまりおすすめできる窓ではありません。
なぜなら、将来的に雨もれするケースが「とても」多いから。
そして、そうならないためのメンテナンスが大変だから。
大工さんの中には、トップライトを「雨もれ発生装置」と呼ぶ人もいるくらい、トップライトは雨もれの多い窓です。
窓の失敗⑧窓からの視線が気になる
窓の失敗、8つ目は窓からの視線が気になってしまう例。
窓の位置を決めるときに、自宅の平面図だけを見て決めてしまうとよく起こる失敗例。
- 隣の家の窓と真向いにある窓
- 井戸端会議の場所から丸見えの位置にある窓
こういった窓は即不満につながるので、必ず窓の位置は家の周囲の状況をよく確認してから決めましょう。
特にお風呂の窓は視線を一番気にする場所です。
お風呂の窓の選び方について別記事を書いたので、あわせて読んでみてください。
窓の失敗⑨窓掃除がしにくい
窓の失敗、9つ目は窓掃除がしにくいという例。
掃除がしにくい位置に窓を設けると、「薄汚れた窓がいつも見えている」という不満につながります。
特に注意する場所は、
- 吹抜の上部
- 階段の手が届かない部分
とはいえ、吹抜リビングなどの場合は手が届かない窓も多いので、仕方ない場合もあります。
それと、掃除についての不満がもう1つ。
それはキッチンのコンロ前に窓があるケース。
この場所の窓は、ほぼ100%の割合で後悔につながっています。
調理中の油でガラスが汚れるだけならまだしも、窓の桟の隅々まで油にまみれ、本当に掃除が大変。
と言えるほど、コンロ前の窓はおすすめできません。
窓の失敗⑩窓を大きくしたり増やしたら、家の強度が弱くなってしまった
窓の失敗、最後の10個目は窓を大きくしたり増やしたら、家の強度が弱くなってしまったという例。
窓を大きくしたり増やしたりすると、壁の量が減ります。
家の強度は壁の量が大きく関わっているので、あまりにも窓が多い家は、強度が弱くなっていることも。
昔は「家の南面に壁がなく、ほとんどが窓」という家をよく見ましたが、最近は南面でもある程度の壁がある家が多くなっているのに気づいていますか?
その理由は、これまでの大きな地震の際、南面に壁がない家が南側にグシャっとつぶれてしまったケースが多く、壁の重要性が見直されてきたから。
柱や梁だけでなく、「壁」も耐震性や風圧力にはとても重要なのです。
新築の場合でも、リフォームの場合でも、窓などの開口部については、しっかり構造の検討をした上で位置を決めましょう。
窓リフォーム必勝法
窓の失敗例を10個お話してきましたが、リフォームに失敗しないための方法も知っておきませんか。
リフォームに失敗する人が1人でも減らせるようにと願い、記事を書きました。
↓ ↓ ↓
リフォーム成功に必要なたった1つのこと|すべての失敗はコレが原因
リフォームのウラもオモテも知り尽くした筆者が、あなたにリフォームの必勝法を教えます。
窓の失敗まとめ
窓の失敗例について、リフォーム設計のプロである筆者が今までよく見聞きしたものを紹介してきました。
どの失敗もありがちで、誰でもやってしまいそうなものばかり。
窓は家の快適性を大きく左右するアイテム。
窓を失敗すると、家の快適性は激減してしまいます。
この記事で失敗のない窓計画ができることを祈っています!
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